Notion調査、日本企業の生成AI活用は個人利用が先行 組織展開に課題
Notion Labs Japan合同会社は、企業の意思決定者と現場のナレッジワーカーを対象とした「NotionグローバルAI変革調査2026」の日本市場における分析結果を発表した。調査によると、日本企業におけるAI活用は個人の「思考のパートナー(レベル1)」が先行する一方、ガバナンスやルールの整備が組織展開の壁となっている実態が浮き彫りとなった。一方で、成熟度の高い先進組織(レベル3〜4)では投資対効果(ROI)の可視化や日常業務への統合が進んでいることが示されている。
個人利用が先行する一方、自社のAI能力への自信や準備状況には課題
日本におけるAI活用の成熟度を分類したところ、AIを「思考のパートナー」として利用するレベル1の割合は66%となり、グローバルの57%を9ポイント上回った。一方で、AIを「チームメイト」や「システム」として利用するレベル3〜4に属する層は日本が11%、グローバルが12%と同水準となっており、日本では活用の中心が個人の思考支援や作業支援に寄っている傾向がみられる。
自社のAI能力に対する自信について、自社のAI能力に「非常に」または「極めて」自信をもっていると回答した割合は、日本の意思決定者で15%、ナレッジワーカーで6%にとどまった。グローバルと比較すると、意思決定者は30ポイント、ナレッジワーカーは17ポイント低い結果となった。また、AIエージェントの導入に準備ができていると回答した割合も、日本の意思決定者で42%(グローバル58%)、ナレッジワーカーで28%(同37%)と低い水準にある。
組織の整備状況や意識に関して、日本の意思決定者の68%が「社内のナレッジへのアクセスが改善されれば、AIはより大きな価値をもたらすだろう」と回答した。一方、日本とグローバルの意思決定者の間で最も差が大きかった設問は「責任ある活用のためのガバナンスとポリシーを構築している」で、グローバルの67%に対し日本は47%と20ポイントの差がついた。
ナレッジワーカーにおいては、74%が「重要な業務でAIがミスをしないと信頼できれば、もっと活用するだろう」と回答し、グローバルの72%と同水準となった。また、「AIツールの切り替えが多すぎると集中力が途切れ、作業が遅くなる」(日本10%、グローバル34%)や「AIが自分の仕事をより良くする明確な方法が見えている」(日本44%、グローバル68%)の項目で、グローバルとの間にそれぞれ24ポイントの差がみられた。

現場の活用シーンでは、全体として「情報の調査、要約、統合」(レベル1〜2:64%、レベル3〜4:59%)が最も多い。成熟度レベル別にみると、レベル1〜2の層はレベル3〜4の層と比べて「コンテンツの作成や編集」(16ポイント差)や「プレゼンテーションやレポートの作成」(14ポイント差)が高く、一般的な事務支援や個人作業の効率化が中心になりやすい傾向を示している。
成熟度の高い組織ではROI測定やワークフロー統合が進展

意思決定者への調査では、AI変革の取り組みとして最も多く実施されているのは「社内トレーニングやリソースの整備」(レベル1〜2:44%、レベル3〜4:54%)だった。

成熟度レベル1〜2の層とレベル3〜4の層で最も差が開いた施策は「ROIおよびビジネスへの影響の測定」で、レベル1〜2が18%に対し、レベル3〜4は48%と30ポイントの差があった。次いで「ガバナンスとコンプライアンスの整備」(レベル3〜4が21ポイント上回る)、「定常業務への活用」(同16ポイント上回る)が続き、先進組織ではビジネスへの影響測定やガバナンス下での業務ワークフローへの組み込みが進んでいる。

組織的なAI変革に向けた3つのポイント
本調査では、AI活用を個人の効率化から組織的な成果へ進化させるためのポイントとして、以下の3点を挙げている。
- 何のためにAIを使うのか、チームで成果指標を共有する(ROIや事業成果の定義と共有)
- AIを日常のワークフローに組み込み、チームで使える状態にする(情報共有や意思決定を支える仕組み化)
- 安心してAIと協働できる土台を整える(利用方針、データ管理、リスク管理などのルール整備)

Notion Labs Japan合同会社ゼネラルマネージャーの青木友氏は、日本企業において個人利用からチーム協働への組織展開やガバナンス、ROI測定が課題となっていることに触れ、AIが自律的に機能するための情報基盤を提供し、企業のAI変革を支援していくとしている。
調査概要
- 調査主体:Notion Labs, Inc.
- 調査対象:日本1,010名(意思決定者337名、現場担当者673名)、グローバル6,118名(意思決定者2,039名、現場担当者4,079名)
- 対象範囲:世界10の国・地域
- 調査期間:2026年3月19日~2026年5月19日
- 調査方法:Qualtricsのパネルを通じたオンライン調査(選択・自由記述)
本記事はNotion Labs Japan合同会社の発表をもとに作成。
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