石川県立九谷焼技術研修所で人間国宝の中田一於氏が特別講義 制作の歩み語る
石川県立九谷焼技術研修所は2026年6月10日、重要無形文化財「釉下彩」保持者(人間国宝)に認定された中田一於氏を講師に迎え、研修生を対象とした特別講義を実施しました。この講義は同氏の人間国宝認定を記念して開催されたもので、次代を担う研修生に向けて制作への思いや作家人生の歩みが伝えられました。
特別展の出品作を通じた創作の背景解説

講義では、小松市立本陣記念美術館で開催された特別展「銀と彩-人間国宝《釉下彩》-中田一於の世界」の出品作品を中心に、スライドを用いて作品ごとの制作背景や込められた思いが解説されました。

中田氏は作品完成に至る試行錯誤や表現の追求、長年にわたる技術研鑽の中での苦労や挑戦について語り、人間国宝の視点から九谷焼の可能性や未来についての見解を示しました。
独自の表現と技術継承への思い

今回の講義は、次世代の人材育成と技術継承を目的に行われました。中田氏は若い世代に対し、技術の習得だけでなく自分自身の表現を大切にしてほしいと語りました。
釉裏銀彩の技法について中田氏は「この技法をやりたい人がいるなら教えていきたいと思っている。表現は自分と同じものではなく、この技法に自分独自のものをプラスしてくれればと思う」と述べ、技術継承への意欲を示しました。
研修生との質疑応答で制作への姿勢を共有

講義後の質疑応答では、技法を継続してきた理由や文様の発想方法などについて質問が上がりました。
中田氏は、三代徳田八十吉氏からの励ましを機に技術を追求し続けてきた経緯や、先代今右衛門氏からの助言を受けてモチーフを抽象化し文様として表現するようになった背景などを明かしました。参加した研修生からは、第一線で活躍する作家の考え方に触れられ、今後の制作活動への励みになったといった声が寄せられました。
講義の結びとして中田氏は、研修所で基礎を学んだ上で自分独自の要素を加え、各自が目指す九谷焼を追求してほしいと研修生へ激励の言葉を送りました。
石川県立九谷焼技術研修所の概要
- 所在地:石川県能美市泉台町南2番地
- 公式HP:https://www.pref.ishikawa.jp/kutanike/
本記事は石川県立九谷焼技術研修所の発表をもとに作成しました。
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