東陽テクニカ、風力発電設備で油中粒子計測器の耐久試験へ 産総研設備に初実装
株式会社東陽テクニカは、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)が保有する風力発電設備において、自社開発の油中粒子計測器「PI-1000」を設置し、耐久性試験を実施する。同製品が風力発電設備に実装されるのは今回が初めてとなる。試験は2026年8月26日より約1年間の予定で、潤滑油内の摩耗粉を常時監視することによる予知保全の実現を目指した実証となる。


風力発電設備の保守課題と実証の背景
風力発電設備では、ギアボックス(増速機)や各種ベアリングの動作のために多量の潤滑油が使用されている。現在は定期的な潤滑油の抜き取り検査やフィルター管理による状態確認が主流となっているが、異常発生の予兆を確認することは難しく、ギアボックス起因の不具合による運転停止や交換が発生している。そのため、安定稼働に向けた状態監視や予知保全の重要性が高まっている。
自社開発の「PI-1000」は、レーザー遮光法と独自の脱泡手法により、液体中の粒子の大きさや量を高精度に測定する装置である。潤滑油を使用する製造現場を中心に導入が進んでおり、状態監視や予知保全を通じたコスト削減や省人化、産業インフラの長寿命化への活用が期待されている。
今回の実証では、産総研が保有する検証用の陸上風力発電設備(福島県、株式会社駒井ハルテック製)のナセル内に「PI-1000」を設置する。
産総研の技術支援のもと、温度変化が激しいナセル内部の環境下において連続稼働が可能であるかを含め、主に耐久性を約1年間にわたり試験する。潤滑油内の摩耗粉を継続的に監視してギアボックスやベアリングからの摩耗粉の挙動変化を捉えることで、異常な振動が発生する前の段階で適切な保守メンテナンスの実現を図る。
今後の展開
東陽テクニカは、今回の耐久試験で有効な結果を実証した上で、国内の風力発電設備メーカーやメンテナンス会社向けに「PI-1000」の導入を進める計画だ。効率的な状態監視や予知保全を通じて、コスト削減や省人化、産業インフラの長寿命化および脱炭素社会の実現に貢献することを目指すとしている。
油中粒子計測器「PI-1000」の主な仕様
- 計測方法:光遮蔽法
- 検出器 発光部:半導体レーザー、最大出力1 mW、波長655 nm
- 検出器 受光部:PD(フォトダイオード)
- 検出粒子径範囲:5~150 µm
- 1回の計測液量:約20 ml
- 計測稼働温度:RT(室温)~60℃
- 電源電圧:AC100V 50/60Hz ±5%(他電圧は要問合せ)
- 外形寸法:290(+脚部分15)×285×390 mm
- 重量:約22kg
本記事は株式会社東陽テクニカの発表をもとに作成
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