イオン、2040年までに食品リサイクル率100%目指す新目標を策定
イオンは、食品廃棄物の最大限の削減と100%利活用による「食品廃棄のない社会」の実現に向け、2040年(2040年度末・2041年2月末)までに食品リサイクル率100%を目指す新目標を策定した。あわせて、環境省の「令和7年度補正 食品循環資源リサイクル促進モデル事業」に採択された岩手県内での取り組みを、目標達成に向けたモデルケースとして効果検証する。
2040年までに焼却・埋立等の最終処分量を可能な限りゼロへ
新目標では、2040年までに食品廃棄物のうち焼却や埋立などの最終処分量を可能な限りゼロに近づけることを掲げている。発生抑制を継続するとともに、従来課題であった野菜や果物の皮・芯、魚の骨、甲殻類の殻といった不可食部を含む食品廃棄物の利活用を進め、食品リサイクル率100%の達成を目指す。
重点施策として、発生抑制の推進、食品リサイクル率の向上、地域循環型リサイクルループの拡大を設定している。
岩手県内21店舗を対象に地域循環モデルの実証を開始
目標達成に向けたモデルケースとして、環境省のモデル事業(部門Ⅱ:食品関連事業者等における食品リサイクル部門)に採択された実証事業を岩手県で展開する。県内のイオングループ21店舗から排出される年間約300トンの食品廃棄物(魚あらを除く)を県内事業者が堆肥化し、イオンアグリ創造の岩手花巻農場でのブロッコリー栽培実証に活用する。
さらに地元農家と連携し、塩類を多く含む高EC堆肥の利用可能性の検証や、ホップ・ビール用大麦の露地栽培を行う。プライベートブランドビールの開発や温室効果ガス削減効果の評価などを進め、地域の特性に合った循環型リサイクルループを現在の13カ所から全国47カ所へ拡大することを目指す。
採択事業の概要は以下の通り。
- 事業名:令和7年度補正 食品循環資源リサイクル促進モデル事業(部門Ⅱ:食品関連事業者等における食品リサイクル部門)
- 事業名称:岩手県内のイオン店舗の食品廃棄物を活用した堆肥によるホップ・大麦栽培とプライベートブランドビール開発を通じた食品リサイクルループ型地域循環モデル実証事業
- 事業主体:イオン株式会社
- 対象店舗:岩手県内のイオングループ21店舗
- 対象資源:店舗から排出される食品廃棄物(魚あらを除く、年間想定約300トン)
- 実施期間:2026年11月~2027年1月(予定)
- 実証場所:イオンアグリ創造株式会社 岩手花巻農場 ほか
同社は2017年に、売上100万円当たりの食品廃棄物等発生量(発生原単位)を2025年までに2015年比で半減させる目標を設定し、AI需要予測システムの導入や売り切り施策などを推進してきた。発生原単位は2026年5月時点の推定で20.3kg/百万円となり、2015年比で43%削減したものの半減目標には届かなかった。
また、農林水産省の統計をもとに算出したところ、小売業から発生する食品廃棄物等のうち約47%が発生抑制の難しい不可食部であることが判明した。これにより発生抑制のみでの削減には限界があることが明らかになり、食品廃棄物を資源として利活用する取り組みの強化が必要と判断された。
発生抑制と資源循環の両輪で段階的拡大へ
新目標の達成に向け、需要予測や発注・製造量の最適化による発生抑制を強化する。さらに発生した食品廃棄物については、不可食部も含めて堆肥化、飼料化、メタン化などの再生利用やアップサイクルを拡大する。
食品リサイクル率は、現状の54.2%から2030年までに70%、2035年までに85%、2040年までに100%へと段階的な引き上げを目指す。地域循環型リサイクルループについても、連携事業者やプロセスセンターの配置状況などを考慮し、優先地域から順次拡大していく方針だ。
本記事はイオン株式会社の発表資料、環境省の報道発表資料、および農林水産省の公表データをもとに作成。
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