VicOne、AIロボット攻撃検証のIsaac Sim拡張機能を無償提供
トレンドマイクロの子会社で自動車およびフィジカルAI向けセキュリティを手がけるVicOneは、AIロボットへのサイバー攻撃の影響を検証するNVIDIA Isaac Sim向け拡張機能「Radeis Extension」の無償提供を開始しました。

本拡張機能を追加することで、開発者は敵対的な視覚入力がAIモデルの認識や判断、ロボットの動作に及ぼす影響を、実機テストや現場への展開前に検証できるようになります。
DEF CON 34でのテスト知見を基にシナリオを構築
ロボットメーカーや運用事業者が行う従来の機能テストやシミュレーションでは、サイバー攻撃に起因する動作異常の検証が対象外となっているケースが少なくありません。
VicOneは、2026年8月6日から9日まで米国ラスベガスで開催された「DEF CON 34」の「Robotic Hacking Community」において、AIロボットを対象にしたCTF形式の「セーフティ・ストレステスト」を実施しました。AIモデル、認識処理、クラウド・APIサービス、ロボティクス向け通信、組み込みシステムにまたがる課題が出題され、参加した16チームが計25件の攻略に成功しました。未攻略となったのは、暗号技術とファームウェアの脆弱性に関わる高度な組み込みシステムの課題1件のみでした。
この結果から、サイバーリスクがシステムを構成する複数の層にわたって生じることが確認されたため、同社は攻略結果や前提条件を分析し、シミュレーション上でロボットの動作変化を検証できる攻撃シナリオとして整理しました。
「Radeis Extension」は、物理ベースの仮想環境でロボティクスシミュレーションを行うアプリケーション「NVIDIA Isaac Sim」上で動作し、AIモデルを実行する推論サーバーと連携します。
あらかじめ用意されたロボット、シーン、標準対応のAIモデルを使用することで、以下の機能が利用可能です。
- NVIDIA Isaac Sim上での検証環境の構築
- 敵対的な視覚入力を用いた攻撃シナリオの適用
- 攻撃入力によるAIモデルの判断および選択した動作の変化の確認
- AIモデルが入力画像のどこに注目したかの可視化
- 同一条件でのテストの反復実施と、AIモデルやチェックポイント間の比較
- 検証結果と全体評価をまとめたHTMLレポートの出力
独自のロボットやシーン、AIモデルを用いた検証、およびVLAモデルを用いた軌道評価については個別対応となります。本機能の利用には、NVIDIA Isaac Sim 5.0、5.1または6.0、Ubuntu 22.04または24.04、NVIDIA RTXシリーズのGPUが必要です。
製品版プラットフォームとの連携
より広範な検証を必要とする組織向けには、フィジカルAI向けリリース前リスク検証プラットフォーム「Radeis」が提供されています。「Radeis」は、コンポーネントやシステム、AIモデルのリスク評価に加え、脆弱性や攻撃シナリオがロボット動作に及ぼす影響の検証、修正計画の策定、リリース判断、規制・規格対応の準備までを支援します。
VicOneの最高経営責任者(CEO)であるマックス・チェン氏は、ロボットが依存するデジタルシステムが侵害された場合の信頼性検証が標準的な開発プロセスになるべきだとし、開発の早期段階からリスクに対処できるよう支援していく方針を示しています。
VicOne株式会社 概要
- 日本法人名:VicOne株式会社
- 代表者:グローバル代表CEO マックス・チェン、会長 マヘンドラ・ネギ
- 本社所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿
- 設立:台湾 2022年6月、日本法人 2023年6月
- 事業内容:自動車およびフィジカルAI向けサイバーセキュリティソリューションの開発
- URL:https://www.vicone.com/jp
本記事はVicOne株式会社の発表をもとに作成。
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