Will Smart、国交省の地域交通DX事業に採択 バス基幹クラウド開発へ
株式会社Will Smartは、国土交通省の令和8年度「『交通空白』解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト」地域交通DX推進タイプにおいて、同社が実施主体となる「バス業務標準仕様に準拠したWEBベース計画系・実績集計系クラウドシステムの新規構築」が採択されたと発表した。
同プロジェクトでは、国土交通省が定めるバス業務標準仕様等に準拠したWebベース・ペーパーレスを前提とするクラウド型基幹業務プラットフォームを新規開発する。路線やダイヤ、乗務員割り当てなどを管理する計画系と、運行や乗降の実績を集計・分析する実績集計系の開発・実証を行い、2027年4月以降のSaaS提供開始を目指す。
開発の背景と業界の課題
バス業界では深刻化する運転手不足により、公共交通としての持続可能性が課題となっている。人手不足への対応にはデジタル技術の活用が求められているものの、多くの企業では大規模なシステム投資が難しい状況にある。
また、従来は業務手順の標準が存在しなかったため、システム導入時に個別のカスタマイズが行われ、各社ごとにシステムが個別最適化されてきた。これがシステムの更新や改修コストを押し上げ、事業者間のデータ活用や協業の障壁となっていた。こうした課題に対し、国土交通省は地域交通DX推進プロジェクト「COMmmmONS(コモンズ)」において、バス事業の標準的な業務手順とシステム設計をまとめた「バス業務標準仕様書」を2026年3月に公開した。
開発するシステムの概要と特長
今回のプロジェクトでは、標準仕様に準拠した基幹業務プラットフォームをフルスクラッチで開発する。システムは運行の前提となる「計画系」、運行中を管理する「運行系」、運行後の実績を分析する「実績集計系」の3つの機能群で構成され、相互データ連携を前提とした一体のシステムとして設計される。今回はこのうち計画系と実績集計系を開発する。各業務を機能モジュールとして構成することで、既存業務の一部からでも導入可能な仕組みを目指す。
計画系システムでは、運賃三角表やダイヤ、仕業の作成・改正から日々の乗務員・車両割り当てまでを一元管理する。計画と実績の対比による改善基準告示の管理や勤怠管理も担い、属人化してきた業務の標準化を図る。
実績集計系システムでは、乗降実績データ標準仕様書(鉄道・バス)に準拠した実績管理システムやデータ処理基盤などを開発する。標準化共通DBサーバーやオープンデータリポジトリから取得したデータを集計し、需要や収支の分析に活用する。
実証検証と今後の展開
プロジェクトのスケジュールは、2026年8月に要件整理を行い、9月から11月にかけて設計・実装・開発を進める。2026年12月から2027年1月に実証検証を行い、2027年1月から2月に効果測定と評価を実施する予定となっている。
実証は長崎市および静岡市で行われ、計画系システムは長崎自動車株式会社、実績集計系システムはしずてつジャストライン株式会社をフィールドとして検証する。実証と効果測定を経たのち、各業務をモジュール化したパッケージシステムをSaaS型で2027年4月以降に提供開始することを目指す。
株式会社Will Smart 会社概要
- 社名:株式会社Will Smart
- 代表者:代表取締役社長 石井康弘
- 設立:2012年12月12日
- 上場市場:東証グロース(証券コード:175A)
- 資本金:865百万円(2026年6月1日現在)
- 事業内容:モビリティ業界を中心とした事業課題解決に対するDX技術を駆使したソリューションの企画・提案、ソフトウェアの受託開発と運用支援
本記事は株式会社Will Smartの発表をもとに作成。
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