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あかね農園で黒いちじくの収穫開始 介護施設を運営する法人が栽培

兵庫県姫路市の「あかね農園」で2026年9月2日、黒いちじく「ブラックダイヤモンド」の収穫が始まりました。栽培期間中農薬不使用かつ有機肥料のみで育てられており、先行して収穫されている「ロイヤルガーネット」とともに皮ごと食べられる状態で提供されます。同農園は、高齢者介護施設などを運営する社会福祉法人あかねが手掛けています。

希少な黒いちじくを含む2品種の収穫が本格化

収穫が始まった「ブラックダイヤモンド」(品種名:ビオレソリエス)は、フランス・プロヴァンス地方原産の秋果専用品種です。本場では原産地呼称保護(AOP)の対象となっていますが、雨の多い日本の気候では実が裂けやすく病害も出やすいため、国内での生産者が限られており「幻の黒いちじく」とも呼ばれています。果実は50〜80グラムほどと小ぶりで、濃厚な甘みとねっとりとした食感が特徴です。

一方、国内で広く普及している「ロイヤルガーネット」(品種名:桝井ドーフィン)は、70〜120グラムほどの大ぶりなサイズで、みずみずしさと甘み、酸味のバランスが特徴の王道品種です。

同農園では昨年のオンライン販売の需要を受け、今年は新たな圃場に300株を追加して栽培面積を昨年の2倍に拡大しました。さらに、葉に均等に日光を行き渡らせるため、ロイヤルガーネットを栽培する全圃場で「一文字仕立て」への切り替えを行っています。

皮ごと食べられる栽培方法と樹上完熟へのこだわり

いちじくは皮を剥いて食べられることが多い果実ですが、同農園では栽培期間中に農薬を使わず有機肥料のみで栽培しています。害虫の手作業での駆除や人の手と草刈り機による除草などを行い、兵庫県の「ひょうご食品認証制度」において「ひょうご安心ブランド」の認証(農産物・果樹「いちじく」/2026年3月末現在)を受けています。

また、いちじくは収穫後に追熟しない特性を持つため、一般的には輸送時の傷みを考慮して完熟手前で収穫される傾向があります。同農園では木の上で香りと甘みを十分に蓄えた完熟状態を早朝に見極めて収穫し、その日のうちに産地直送で出荷しています。果実の鮮度を保つため、配送地域は本州限定としています。

高齢者介護の現場から始まった農園運営

あかね農園は、社会福祉法人あかねが2011年に開設しました。厚生労働省の人口動態統計によると、2024年の誤嚥性肺炎による全国の死亡者数は前年比3,475人増の6万3,665人(兵庫県内は2,715人)となっています。

加齢に伴い噛む力や飲み込む力が低下する利用者が多い介護現場において、最期までおいしく安心して口にできるものを自分たちの手で作りたいという介護士や看護師、管理栄養士らの思いが農園立ち上げの契機となりました。農園で収穫された作物は同法人が運営する施設の食卓で提供されるほか、一般向けにも販売されています。特にいちじくは、果肉が柔らかく皮ごと食べられることから、力を入れて栽培が続けられています。

商品の販売方法と法人概要

商品は公式オンラインショップで取り扱うほか、ロイヤルガーネットは兵庫県姫路市のふるさと納税返礼品にも採用されています。生果のほか、砂糖や添加物を使用しない自家製セミドライいちじくなども展開しています。

  • 法人名:社会福祉法人あかね
  • 本部所在地:兵庫県尼崎市神田北通1丁目2番地
  • 設立:1995年
  • 代表者:理事長 松本真希子
  • 職員数:1,039名(2026年4月1日時点)
  • 事業内容:介護福祉施設、サービス付き高齢者向け住宅、認定こども園、農園等の運営

本記事は社会福祉法人あかねの発表資料および厚生労働省「人口動態統計」をもとに作成しています。

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