HAIPとZenmuTech、秘密分散プロキシ活用のセキュリティ事業を9月開始へ
医療AIプラットフォーム技術研究組合(HAIP)と株式会社ZenmuTechは、共同開発した特許技術「秘密分散プロキシ技術」を活用したサイバーセキュリティ事業を、2026年9月1日より共同で開始する。医療機関を標的としたサイバー攻撃が深刻化するなか、侵入を前提として被害の極小化と早期復旧を目指すサイバーレジリエンスの実現に向けた取り組みとなる。
事業の背景とサイバーレジリエンスの重要性
医療機関を標的としたランサムウェア攻撃や情報漏えいなど、サイバーリスクは年々深刻化している。AIを悪用した高度な攻撃も現実のものとなり、従来の境界型セキュリティやゼロトラスト型セキュリティのみでは十分な対応が難しくなっているという。
HAIPは、セキュリティ対策の目標を完全防御ではなく、侵入された場合でも被害を極小化して早期の業務復旧を可能にする「サイバーレジリエンス」の実現にあるとしている。今回活用される秘密分散プロキシ技術は、通信データへの攻撃が発生した場合でも機密情報の保護と事業継続性の向上に貢献する基盤技術の一つとして位置付けられている。
秘密分散プロキシ技術の特徴
秘密分散プロキシ技術(特許第7825250号、名称:データ通信システム)は、ZenmuTechが培ってきた秘密分散技術を応用し、医療機関が機微性の高いデータを安全に通信するための仕組みとして両者が実証試験等を通じて共同開発した技術である。
本技術では、送信側で通信データを複数の分散片に分割・無意味化し、それぞれを複数のTLS通信経路で送信したうえで、受信側で元の通信データに復元する。これにより、通信途中で一部の分散片への窃取や攻撃が発生した場合でも、個々の分散片から元のデータが漏えいするリスクを低減できる。また、既存システムやアプリケーションへの適用性を高めた設計がなされており、HAIPでは量子コンピューター時代に向けた医療分野の次世代セキュリティ対策の中核技術の一つと位置付けている。
今後の展開とワーキンググループの組成
本技術は、医療機関内のセキュリティ対策に加え、病院、診療所、介護施設、薬局などを結ぶ地域医療連携ネットワークや、複数施設間での医療情報の安全な通信・利活用を支える基盤としての活用が計画されている。さらに、自治体や企業、研究機関など、医療機関と連携する幅広い分野への展開も検討されている。
HAIPではこれらの計画を推進するためワーキンググループを組成し、医療機関、企業、研究機関などと横断的に連携しながら、優先適用領域や新たなユースケースの検討・実証を進める予定としている。
両団体の概要
- 株式会社ZenmuTech
- 所在地:東京都中央区新川2-22-1 いちご新川ビル 5階
- 設立日:2014年3月4日
- 代表者:代表取締役社長CEO 阿部 泰久
- 証券コード:338A
- URL:https://www.zenmutech.com
- 医療AIプラットフォーム技術研究組合(HAIP)
- 所在地:東京都江東区豊洲一丁目1番1号
- 設立日:2021年4月1日
- 理事長:宇賀神 敦
- ホームページ:https://haip-cip.org
本記事は医療AIプラットフォーム技術研究組合および株式会社ZenmuTechの発表をもとに作成。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



