静岡県川根本町で、ドローンを活用した新スマート物流SkyHub®の社会実装がスタートした。川根本町、セイノーホールディングス株式会社、株式会社エアロネクスト、株式会社NEXT DELIVERYが連携し、2024年5月30日に開所式を実施。6月1日からは、住民ニーズに応じて順次サービスを開始し、対象エリアも拡大していく予定だ。

新スマート物流SkyHub®における配送の拠点であり一時倉庫の機能をもつドローンデポ®は、旧中川根南部小学校に構えられる。今年度中には、飲食店と連携したフードデリバリーSkyHub® Eatsと各運送会社と連携した共同配送の開始も目指している。

川根本町とNEXT DELIVERYは、2023年に2回に渡り災害時の孤立集落へのドローン配送を想定した実証実験を実施。12月には、川根本町とエアロネクスト、セイノーHDが、町が目指す過疎化等の地域課題の解決に向けて、ドローン配送実証事業を含む次世代高度技術の活用による新しい物流のビジネスモデルの構築を目的とした連携協定を締結していた。

開所式で、薗田靖邦川根本町長は、「物流2024年問題や働き方改革の問題も見据え、災害時の対応やデリバリーサービスでドローンを活用し、川根本町では当たり前になるように、ドローンを社会インフラにしていきたい。」とコメントしている。

サービスのための配送手段は軽バンとドローンで、ドローン配送においては、主にエアロネクストがACSLと共同開発した物流専用ドローンAirTruckを活用する。本事業は、令和6年度デジタル田園都市国家構想推進交付金（デジタル実装Type1）「ドローンを活用した新スマート物流実装事業」として採択されている。

サービス内容は、地域の商店と連携した買物代行サービス（SkyHub® Delivery）とフードデリバリーサービス（SkyHub®Eats）の2つ。5月30日の報道関係者への公開では、旧中川根南部小学校から田野口地域振興センターまでの片道約3.8㎞を約8分で、地域の商店「魚勇」の食料品を物流専用ドローンAirTruckを使用して配送した。

今後も、各者が相互に連携、協力し、町の課題や町民のニーズに沿って、ドローンを含む次世代高度技術の活用による、持続可能な地域の物流の確保と新しい社会インフラの整備を推進することで、川根本町における地域の活性化に寄与していく。