ABC、愛知県大府市にイチゴ自動収穫ロボットの研究圃場を開設へ 26年12月実証開始
愛知県名古屋市中村区に本社を置くABC株式会社は、開発を進めるイチゴ自動収穫ロボットの実証を目的とした約50aの研究用圃場を、愛知県大府市に開設すると発表しました。2026年9月より圃場の整備に着手し、高設栽培のハウスに約2万株のイチゴを定植します。苗の育成から収穫までを同社自らが一貫して手掛け、自社栽培株を用いて2026年12月よりAIによる自動収穫の実証実験を開始する予定です。
育苗から実証までを一貫化しロボット開発の障壁を解消
イチゴ栽培は収穫や調製作業の労働負担が大きく、農業就業人口の減少に伴い自動化が期待されています。しかし、生産者の営利圃場を借りた実証では生産活動への影響や果実の損傷リスクから試行条件が限られ、AIの学習に必要な統一条件でのデータ収集が困難という課題がありました。
同社はこの課題を解決するため、実証に用いるイチゴを苗の育成段階から自社で栽培する方針を採用しました。種子から栽培可能な品種「よつぼし」を採用し、高設栽培ハウスで約2万株を自社管理して収穫実証に用います。
自社で育苗・栽培・実証を一貫して行う体制により、以下の取り組みが可能になるとしています。
- 果実の損傷を伴う試行を含め、徹底的な検証が行える実証環境の確保
- 品種や定植時期、整枝方法などの履歴を統一したAI学習データの継続取得
- 約2万株の規模を活用した、果実の熟度や隠れ方など多様な現場状況のデータ収集
- 収穫しやすい栽培方法の改良を開発へ即座に反映する体制の実現
画像認識と自走式車体を組み合わせたAI自動収穫技術
研究圃場では、カメラで取得した映像から果実の位置と熟度を認識し、収穫可否の判断から摘み取り動作までをAIが一貫して行う方式の研究開発を進めます。自走式の車体と組み合わせることでハウス内での自律的な収穫作業の実現を目指し、圃場で取得したデータを学習に反映させて認識精度と収穫成功率の向上を図ります。
今後のスケジュールと愛知県の補助金採択
今後の展開として、2026年9月に圃場整備に着手し、10月から11月にかけて約2万株の育苗・定植および栽培管理を実施します。同年12月に自社栽培株を用いた収穫実証実験を開始し、2027年以降に実証データをもとにした改良を進める計画です。
なお、本事業は愛知県が成長産業分野の研究開発・実証実験を支援する「新あいち創造研究開発補助金」に採択されています。
今後の展開と普及体制
今後はイチゴ以外の農作物にも対応できるよう圃場を拡大し、汎用型のAI自動収穫ロボットへ展開するための試験場としても整備される予定です。開発したロボットの販売や産地への普及は、同社の100%子会社であるアグリノード株式会社が担当し、グループ全体で開発から提供までを一貫して手掛ける体制を構築するとしています。
本記事はABC株式会社の発表および愛知県の公表情報をもとに作成。
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