建設現場のCO₂排出量データ取得を効率化へ、実証実験スタート

株式会社リバスタと三和エナジー株式会社は、建設現場での燃料使用に由来するCO₂排出量データの取得効率化を目指し、元請会社15社と実証実験を開始した。両社は燃料購買量データの一元管理の標準化を目指している。

建設業界では2050年カーボンニュートラルの宣言を受け、サプライチェーン全体でのCO₂排出量削減が求められている。特に建設現場で使用される重機等から発生するCO₂排出量の管理が急務とされているが、これまでの手法には課題が多かった。

リバスタは電子マニフェストサービス「e-reverse.com」や建設業界に特化したCO₂排出量の算出・可視化クラウドサービス「TansoMiru」を提供。三和エナジーは国内最大級の燃料配送グループである宇佐美グループの一員で、燃料配送のDX化を推進している。

両社は、三和エナジーが保有する燃料購買量データを、リバスタを通じて建設現場ごとのCO₂排出量計測用データに変換して元請会社に提供するスキームを構築。清水建設、大成建設、竹中工務店など15社のモデル現場で実証実験を開始し、本スキームの有用性を確認する。

今後、参加企業を広く募り、2024年中を目途にスキームの改善とシステム構築を進める予定だ。将来的にはシステムをオープン化し、全国の燃料配送事業者も利用できるようにする。また、リバスタの「TansoMiru管理」や他のCO₂排出量管理サービスとの連携も視野に入れている。

三和エナジーは、燃料購買量データの提供による競合他社との差別化とシェア拡大、およびバイオ燃料の提案による脱炭素化推進を狙う。両社は建設業界に広く展開し、燃料購買量データの一元管理の標準化を目指す方針だ。