神奈川県がサッカースタジアムでリユース容器実証へ
神奈川県は、ベンチャー企業の成長を加速させるため「ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)」の取組により、大企業等とベンチャー企業によるオープンイノベーションを促進し、事業化の支援を行っている。このたび、令和6年度の支援プロジェクトに採択された株式会社カマンと株式会社湘南ベルマーレが、連携して実証事業を開始する。
株式会社カマンは、リユース容器のシェアリングサービス「Megloo(メグルー)」を開発し、飲食店やキッチンカー等における使い捨て容器の廃棄削減に取り組んでいる。容器の返却率や運用の手間が課題となっていたが、RFID(タグに記録された情報を無線通信で読み書きできる自動認識システム)を用いて、容器の返却状況等をリアルタイムで把握し、効率的な容器の管理を実現するシステムを開発した。
そこで、株式会社湘南ベルマーレと連携し、同社が主催するJリーグの試合で、開発したシステムの効果を検証する実証事業を行う。本実証では、スタジアムの売店等で販売する飲食物の容器に貼り付けたRFIDを活用して、容器返却ボックスでの回収、ゴミ箱への廃棄、スタジアム外への持ち出し等のデータを取得し、使い捨て容器の廃棄量削減とリユース容器の回収率の向上にどの程度繋がるかを分析する。
また、観客が楽しみながら参加できるよう、返却ボックスのうちの1か所は投票型ボックスとし、予め提示する設問に対して、回答の投入口を選択して返却してもらうことで、容器回収を促進する。さらに、容器の回収から運搬、洗浄、保管まで、湘南ベルマーレのホームタウン内で完結させることで、運送などリユース容器の使用に係るコストや輸送時のCO2排出量がどれくらい削減されるか等を検証し、持続可能なシステムを目指す。
実証日は令和6年11月30日(土曜日)14時キックオフの明治安田J1リーグ第37節 湘南ベルマーレ 対 横浜F・マリノス戦で、会場はレモンガススタジアム平塚。当日、スタジアム内外で出店する飲食店・キッチンカー等全36店舗でリユース容器を使用したメニューを販売する。
今回の実証では、試合当日に5,000個の使い捨て容器の削減を目指し、これにより100kg以上の廃棄物削減及び0.5tのCO2削減効果を見込んでいる。さらに、年間を通じてこの取組を継続することで、2t以上の廃棄物削減及び10tのCO2削減効果を見込んでいる。
将来的には、全国のJリーグの試合や、サッカー以外のスポーツ・スポーツ以外のイベントにも展開し、使い捨て容器の削減によるCO2排出量の削減と持続可能なリユースの仕組みづくりを目指す。