ネパール北部で大規模洪水被害 ワールド・ビジョンが緊急支援と募金受付を開始
ネパール北部のボテコシ川で2026年8月26日午前9時頃(現地時間)、大規模な洪水が発生し、ラスワ郡とヌワコット郡を中心に甚大な被害が出ている。多数の死者や行方不明者が確認され、住宅やインフラの破壊により多くの住民が避難生活を強いられている。国際NGOワールド・ビジョンは現地で緊急対応を開始し、日本事務所の特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(事務局:東京都中野区、事務局長:中島みぎわ)も緊急援助募金の受付を開始した。
被災地で広がる深刻な被害

洪水により家屋、市場、道路、橋、水力発電所などが損壊し、被災地では現在も捜索・救助活動が続けられている。住まいや生計手段を失った被災者は、食料や安全な避難場所の確保が困難な状況に直面している。特に子どもや脆弱な立場にある家族において、避難生活に伴う食料不足や教育の中断、心理的な負担、安全確保の懸念が深刻化している。
ワールド・ビジョン・ネパールのロズリン・ハンソン・ガブリエル事務局長は、晴天のなか前触れもなく押し寄せた濁流により、現場にいた子どもたちに大きなトラウマが残る可能性があると懸念を示している。
被災前からの課題と子どもたちを取り巻くリスク
被災地域では、洪水発生以前から子どもの健康や保護に関する課題が存在していた。ヌワコット郡で2024年に実施された調査(3,183世帯の5歳未満児667人対象)では、32%に発育阻害、12.1%に消耗症、13.9%に低体重が確認され、全国平均を上回る栄養不良の状態にあった。
今回の大規模洪水によって食料や住居の確保が難しくなることで、健康被害の拡大に加え、収入源の喪失や教育機会の中断による児童婚や児童労働のリスクが高まることが懸念されている。

緊急支援と復興支援の実施計画
ワールド・ビジョンは、政府当局や現地パートナー、人道支援団体と連携し、被災ニーズの調査と支援の準備を進めている。2026年8月27日にはスタッフが被害の大きいヌワコット郡へ入った。
計画されている主な支援内容は以下の通り。
- 緊急支援:食料、シェルター、衛生用品、尊厳キットの提供および子どもの保護
- 復興支援:安全な通学再開に向けた教育支援および家庭の生計回復支援
ワールド・ビジョン・ジャパンがネパール国内で「チャイルド・スポンサーシップ」を通じて支援している3つの地域開発プログラム(バンケ・ジャナキ、西ドティ、バジャン)は、首都カトマンズから西へ約350〜460kmに位置する西部地域にあるため、今回の洪水による直接的な影響や混乱は報告されていない。支援対象の子どもとその家族、現地スタッフの無事も確認されている。
本記事はワールド・ビジョン・ジャパンの発表をもとに作成。
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