三菱電機、単一AIモデルで目的の音を分離するタスク汎用音源分離技術を開発
三菱電機と米国現地法人のMitsubishi Electric Research Laboratoriesは、マイクで収音した混合音から目的の音を分離・抽出する「タスク汎用音源分離技術」を開発しました。単一のAIモデルで多様な音源分離タスクに対応し、製造現場や公共空間などで発生する音の正確な聞き分けを可能にします。同社は2027年度中のフィジカルAIへの実装や製品適用を目指します。
従来の技術では用途ごとに個別の音源分離モデルを開発する必要がありましたが、本技術では単一のAIモデルで複数話者の音声分離、音声強調、機械音分離などの主要なタスクを実行できます。
分離したい音の種類や数をプロンプトで指定する手法を新たに採用しており、会話や機械の稼働音、環境音、音楽などが混在する環境下でも、状況に応じて必要な音声や機械の異常音、アラーム音などを抽出できます。
計算量削減と入力デバイスの柔軟性でエッジ機器へ対応
演算量を削減する高速化技術を開発したことで、エッジデバイスやロボット、監視システム、設備機器など、計算リソースに制約のある機器やシステムへの実装が可能となりました。工場やオフィスビル、公共施設などへの導入を見込んでいます。

また、マイクの本数に依存せず単一のAIモデルで音源分離を行うアルゴリズムを開発したことにより、多様な入力デバイスに対応します。
本技術で分離・抽出した音を異常検知や音声認識、現場記録などの推論に用いることで、AIシステムの推論精度を高め、フィジカルAIを導入したシステムの信頼性向上を図ります。
さらに、音源の種類に応じて符号化を行うコーデック技術も開発しました。音をトークン化して大規模言語モデル(LLM)へ直接入力できるようにすることで、AIエージェントの状況理解や判断に聴覚機能を付与することが可能になります。
今後の展開とCEATEC 2026への出展
三菱電機は、2027年度中のフィジカルAIへの実装や他製品への適用を目指し、本技術の高速化・高精度化を進めるとともに、各種現場での実証を行います。また、同社のデジタル基盤「Serendie(セレンディ)」と連携させ、現場の音を起点としたデータ活用を促進する計画です。
なお、本技術は幕張メッセで開催される「CEATEC 2026」(10月13日~10月16日)に出展される予定です。工場の機械音や楽器音、複数人の声を同時に収音して分離・抽出するデモンストレーションを実施し、音声認識や異常音診断への活用を紹介します。
本記事は三菱電機の発表をもとに作成しました。
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