Dellows News

国立映画アーカイブでカルト・ブランシュ 2026開催へ 黒沢清ら4名が選出

国立映画アーカイブ(NFAJ)は、上映企画「カルト・ブランシュ 2026」を開催する。第一線で活躍する映画人にプログラム編成を委ねる企画で、今回は4名の選者が選んだ28プログラム、29作品の上映が予定されている。上映スケジュールは、同館の公式ウェブサイトで11月上旬に公開される予定となっている。

白紙委任状を託された映画人による独自プログラム

「カルト・ブランシュ」は、映画監督や撮影監督、研究者などの映画人に白紙委任状(Carte Blanche)を託し、自由な発想と独自の視点によってプログラムを編成する上映企画である。

今回は国立映画アーカイブ所蔵の日本映画コレクションから、古典的名作から再評価が待たれる佳作まで、多彩な作品群を通して日本映画の魅力を紹介する。会場では選者によるトークやインタビュー映像も交え、各作品との出会いや選定の背景をたどる構成となっている。

4名の選者と選出作品

選者を務めるのは、映画撮影監督の芦澤明子氏、映画研究者の斉藤綾子氏、映画監督の岩井俊二氏、映画監督の黒沢清氏の4名で、自身の映画体験や創作活動、研究テーマに結びついた作品が選ばれた。

芦澤明子氏の選出作品

青山学院大学在学中から映画制作に携わり、大島渚監督『愛のコリーダ』(1976)の撮影監督・伊東英男氏に師事した芦澤氏は、2026年に第79回カンヌ国際映画祭で「ピエール・アンジェニュー・トリビュート」を受賞している。日本映画撮影監督協会(JSC)による上映会を通じて見つめてきた歴代キャメラマンの仕事に光を当てたとして、以下の7作品を選出した。

  • 『浮雲』(1955、成瀨巳喜男)
  • 『豚と軍艦』(1961、今村昌平)
  • 『飢餓海峡』(1965、内田吐夢)
  • 『無常』(1970、実相寺昭雄)
  • 『仁義なき戦い 広島死闘篇』(1973、深作欣二)
  • 『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』(1973、山田洋次)
  • 『火まつり』(1985、柳町光男)

斉藤綾子氏の選出作品

明治学院大学名誉教授でフェミニズム映画理論やジェンダー批評を専門とする斉藤氏は、同アーカイブでの特別映写観覧を通じて出会った作品から選定した。歴史の中で周縁化されてきた存在に着目し、差別や抑圧に抗う人々の姿を見つめた日本映画として、次の8作品を挙げている。

  • 『からゆきさん』(1937、木村荘十二)
  • 『煉瓦女工』(1940、千葉泰樹)
  • 『肉体の門』(1948、マキノ雅広)
  • 『赤線基地』(1953、谷口千吉)
  • 『女ばかりの夜』(1961、田中絹代)
  • 『おなじ太陽の下で』(1962、望月優子)
  • 『ここに生きる』(1962、望月優子)
  • 『骨までしゃぶる』(1966、加藤泰)

岩井俊二氏の選出作品

『Love Letter』(1995)や『キリエのうた』(2023)などを手がけた岩井氏は、「自分の愛してやまない映画にはただならぬ気配がある」として、独特な余韻を持つ作品を選出した。

  • 『陸軍』(1944、木下惠介)
  • 『黄色いからす』(1957、五所平之助)
  • 『はなれ瞽女おりん』(1977、篠田正浩)
  • 『サード』(1978、東陽一)
  • 『ツィゴイネルワイゼン』(1980、鈴木清順)
  • 『ヒポクラテスたち』(1980、大森一樹)
  • 『会社物語 MEMORIES OF YOU』(1988、市川準)

黒沢清氏の選出作品

『CURE』(1997)や『スパイの妻』(2020)で知られる黒沢氏は、空いた時間に頭に浮かんだ「思い出の映画」の中から、これから映画をつくろうとしている人たちにも観てもらいたいという意識を込めて選定したとしている。

  • 『祇園の姉妹』(1936、溝口健二)
  • 『蜘蛛巣城』(1957、黒澤明)
  • 『日本の夜と霧』(1960、大島渚)
  • 『マタンゴ』(1963、本多猪四郎)
  • 『座頭市牢破り』(1967、山本薩夫)
  • 『四谷怪談 お岩の亡霊』(1969、森一生)
  • 『仁義なき戦い 代理戦争』(1973、深作欣二)

開催概要

  • 企画名:カルト・ブランシュ 2026(英題:Carte Blanche 2026)
  • 会期:2026年12月1日[日]-12月27日[日] ※月曜休館(発表本文には「12月1日(火)より」との記載あり)
  • 会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU(2階)
  • 主催:国立映画アーカイブ
  • 公式HP:https://www.nfaj.go.jp/film-program/carteblanche202612/
  • お問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)
  • チケット:詳細はHPで案内

本記事は国立映画アーカイブの発表をもとに作成されています。

アクセスランキング

今日

1週間