テルトニカが事業基盤を拡大 リトアニア拠点進捗やベトナム新工場の稼働を発表
産業用IoTおよびフリート管理・テレマティクスを手がけるテルトニカ(Teltonika)は、グループの事業基盤拡大に関する最新の進捗を発表しました。リトアニアの首都ビリニュスで進める技術パーク「Teltonika High-Tech Hill」で工場の稼働と研究開発拠点の建設が進むほか、カウナスでの新技術センター計画の承認や、ベトナムでの新工場稼働が明らかになっています。同社はリトアニアでの開発・生産基盤を拡充させるとともに、アジアでの事業展開を並行して進めています。
ビリニュスで開発が進む敷地面積55ヘクタールの技術パーク「Teltonika High-Tech Hill」は、生産棟と管理棟をあわせて11棟で構成される計画です。パークの第1期として2023年に着工した4工場(プリント基板、プラスチック・機構部品、電子機器組立、電子部品)は、2025年9月に稼働を始めました。土地取得や道路・インフラ整備を含む第1期の投資額は3億2,000万ユーロを超え、4工場の総面積は約82,000m²、雇用創出数は1,370人に上ります。プリント基板製造から最終組立までを同一パーク内で一貫して行う垂直統合体制を整えたことで、サプライチェーン混乱の影響を抑制しています。このうちグループ3棟目となる電子機器組立工場は面積22,700m²で、表面実装(SMT)ライン、包装ライン、ロボット自動倉庫、ラボを備えています。なお、第1期は2026年6月にVerslo žinios主催のBaltic Real Estate Awardsにおいて、最優秀産業用不動産プロジェクト(Best Industrial Real Estate Project)に選ばれました。
パーク内では2026年5月に研究開発拠点「House of R&D」の建設が始まっています。管理・研究開発複合施設として最大1,000人の研究開発人材を収容する計画で、5階建ての建物群で構成され、総面積は20,600m²、エネルギー効率はA++基準を満たします。開所は2027年初めを予定しています。

リトアニア第2の都市カウナスにあるALEXイノベーションパーク(ALEX Kaunas Innovation Park)では、新たな技術センターの計画が進められています。テルトニカは同市で20年以上にわたり事業を行い、ネットワーキング機器事業を展開してきました。
新技術センターは、約4ヘクタールの敷地に15,500m²の建物を建設し、ネットワーキング機器の開発・試験を行うラボ、自動化された生産ライン、研究開発スペースを配置する計画です。投資額は約3,400万ユーロで、エンジニアリング、電子、IT、製造の分野で約500人の雇用を見込んでいます。すでに投資家契約が締結され、カウナス市議会による用地賃貸の正式承認も受けています。
2026年5月には、グループで電子機器の受託製造を担うTLT Manufacturingのベトナム工場「TLT Electronics Vietnam」が稼働を開始しました。ホーチミン市近郊のタイニン省に位置し、生産フロア面積は約6,500m²です。開所時点で表面実装(SMT)ライン2本、挿入実装(THT)ライン2本、レーザーマーキングやX線検査などの品質管理設備を備えています。従業員数は開所時点の60人から、2026年末までに110人へと拡大する計画です。
アジアの電子部品サプライチェーンに近い立地を生かすことで、部品や原材料のリードタイム短縮とコスト競争力の確保を図ります。また、ベトナムが締結する自由貿易協定(CPTPP、RCEP、EVFTA)を通じた関税面の利点も活用されます。リトアニアに続く第2の生産地域となる同工場により、受託製造の顧客は欧州とアジアのいずれか、または双方への生産振り分けが可能となります。
背景として、日本の製造業においても調達先見直しの動きが見られます。経済産業省・厚生労働省・文部科学省の「2026年版ものづくり白書」(第1部第4章第4節「不確実性を増す対外環境への対応」図441-2 製造事業者が既に実施している経済安全保障の取組)によると、経済安全保障の取組として「部素材調達先の変更や多元化」を実施している製造事業者の割合は、2024年度の22.0%から2025年度には27.2%に上昇しました。また、日本貿易振興機構(ジェトロ)の「2025年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(第24回)」報告書(2026年3月、61ページ。地政学リスクが調達に影響している・懸念があると回答した企業が対象)では、新たな調達先の検討時に品質や価格のほか「安定性」や「地理的近接性」が重視されていることが示されています。
テルトニカは1998年創業の産業用IoTデバイスメーカーで、世界27カ国に現地拠点を展開し、累計5,000万台以上のIoTデバイスを提供しています。日本法人の概要は以下の通りです。
- 社名:テルトニカジャパン合同会社
- 所在地:〒105-0014 東京都港区芝2丁目29番11号 高浦ビル3F
- 事業内容:産業用IoT接続ソリューション(Teltonika Networks)、およびフリート管理・GPS追跡ソリューション(Teltonika Telematics)の日本市場展開
- グループ本社:Teltonika(ヨーロッパ・リトアニア)
- Webサイト(Networks):https://www.teltonika-networks.com/ja
- Webサイト(Telematics):https://www.teltonika-gps.com/ja
本記事はテルトニカ(テルトニカジャパン合同会社)の発表をもとに作成しました。また、文中の統計データは経済産業省・厚生労働省・文部科学省「2026年版ものづくり白書」および日本貿易振興機構(ジェトロ)「2025年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」の公表資料を参照しています。
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