GembaShift、技能伝承AIのベテランナレッジAIを提供開始
群馬県高崎市に本社を置く株式会社GembaShiftは、熟練者が判断する際の見立てをカード化し、現場の若手がスマートフォンから参照できるようにする技能伝承AI「ベテランナレッジAI」の提供を2026年10月より開始しました。
同サービスは、聞き取りや会議の録音から場面ごとのカードを作成し、若手が現場で困った際に活用できる仕組みです。導入を決める前に、自社のベテラン1名分を試せる無償トライアルの受け付けも行っています。
技能継承の課題と見立て帳の構成

技能継承は多くの現場で課題となっています。厚生労働省が2026年7月に公表した「令和7年度 能力開発基本調査」によると、技能継承に問題がある事業所は製造業で65.8%、建設業で59.2%に上ります。また、技能継承に問題がある事業所のうち60.6%が、問題点として「技術・ノウハウ等の伝承に時間がかかり円滑に進まない」を挙げている一方、技能継承に取り組む事業所のうち退職予定者のノウハウを文書化・データベース化・マニュアル化しているのは22.0%にとどまっています。
ベテランナレッジAIでは、手順や答えそのものだけでなく、状況に応じた判断のコツである見立てを残すため、ベテラン1人につき1冊の「見立て帳」を作成します。判断が必要になる場面ごとに、以下の4項目を本人の言葉とともにまとめたカードを用意します。
- 目の付けどころ(見る順番):ベテランが見る点を順番に並べ、それぞれに「なぜ見るか」を記載
- 分かれ道:判断が分かれる条件と、その先の動き方
- ひと声ルール:安全・法令・金額など、必ず人に確認する事項
- 本人の言葉と体験談:実際に話した言葉を出典つきで引用し、失敗談なども記録

現場での利用方法と誤回答を防ぐ仕組み
導入時のベテラン側の負担について、マニュアルの書き起こしは行わず、立ち上げ時に30〜60分の聞き取りを2〜3回実施します。録音から下書きを作成し、本人は「OK」「直す」「載せない」を選ぶ形式です。公開後は週1回届くメールに対して週15分ほど確認を行う運用としています。
若手社員は現場で困った際にスマートフォンに困りごとを入力または音声で伝えることで、該当する場面のカードを確認できます。相談した人の名前はベテラン本人や管理者に表示されない仕様となっています。また、管理者は若手が見落としやすい点やカードが存在しない場面を集計データとして把握でき、研修やOJTへの活用が可能です。

AIの安全性に関しては、若手の前での役割を「合わせる・当てはめる・見比べる」の3点に限定し、AI自身に結論を出させない仕組みを採用しています。カードに引用する言葉は原文と一字一句照合したもののみを扱い、ベテラン本人が確認したものだけが公開されます。データ管理においては、録音や資料がAIの学習に使われない構成とし、ログインにはMicrosoft Entra IDを採用するほか、顧客のAzure環境に置く構成も選択可能です。
同社の代表取締役である黛 政隆は、AIに答えを出させるためではなくベテランの見方を若手に渡すために開発したとしており、若手自身が決めることで現場を離れた後も判断できる人材が育つとしています。
導入手順と無償トライアル
本導入にあたっては、1人目の見立て帳の公開まで6週以内を目標に進められます。設備保全、製品設計、施工管理、法人営業、介護といった職種ごとの型紙が用意されているほか、汎用の型紙も利用できます。
導入前にはベテラン1名分を対象とした数週間の無償トライアルが用意されており、会議の文字起こしや録音、既存の資料などを提供することで、作成された見立て帳を実際の困りごとで試すことができます。
株式会社GembaShiftの概要
株式会社GembaShiftは、現場起点のAIインフラづくりに取り組む企業です。
- 会社名:株式会社GembaShift
- 代表者:代表取締役 黛 政隆
- 所在地:〒370-0801 群馬県高崎市上並榎町489-11
- 設立:2026年1月21日
- 資本金:1,000,000円
- 事業内容:AI活用コンサルティング、AIシステム開発、企業研修事業
本記事は株式会社GembaShiftの発表をもとに作成されています。
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