回答者の75.6%でシャドーマスタが存在か NTTドコモビジネスXが実態調査
NTTドコモビジネスX株式会社は、従業員数500名以上の企業・団体でマスターデータ管理などに関わる562名を対象に実施した「MDM(マスターデータ管理)実態調査」の結果を公表した。調査によると、マスターがある回答者の75.6%が、公式システムとは別に管理される「シャドーマスタ」が存在する、またはおそらく存在すると回答した。データの不整合や非公式データの管理に対処する作業時間は、全マスターの合計で推計月47.9時間相当に及ぶ実態などが示されている。
約75%でシャドーマスタが存在 基幹系の一元管理でも74.4%
顧客や製品、サプライヤーなど7種類のマスターについて主な管理方法を尋ねたところ、自社独自のマスターを除く6種類において「ERPやCRM等の基幹系システムで一元管理」がマスターごとに35.6~45.0%で最多となった。
一方で、7種類のうち1つ以上のマスターがある517名のうち、いずれかのマスターでシャドーマスタ(設問では「非公式データ管理ファイル」)が「明らかに存在する」または「おそらく存在すると思うが、全容は把握していない」と答えた人は75.6%にのぼった。マスター別では顧客マスターが68.2%と最も高く、「明らかに存在する」のみで42.5%を占めている。
基幹系システムで一元管理しているマスターが1つ以上ある332名に限っても、そのマスターでシャドーマスタが存在する、またはおそらく存在すると回答した人は74.4%だった(※すべてのマスターを対象にした75.6%とは集計範囲が異なるため比較不可)。シャドーマスタが存在する背景としては、「公式システムへの入力が煩雑なため、現場が独自に作成した」「公式システムに必要な項目が揃っていないため、補完として作成した」「部門独自の業務フローに合わせて作成した」の3点が、自社独自のマスターを除く6種類のいずれでも上位を占め、割合は28.4~38.6%だった。
顧客マスターではデータの不整合や引き継ぎが課題に


シャドーマスタに関して生じている問題について、顧客マスターにシャドーマスタがある339名では、「公式システムのデータとの不整合が生じている」(26.3%)と「担当者の異動・退職で内容の引き継ぎが困難になった」(25.7%)が上位となった。なお、同マスターで「特に問題は発生していない」は23.9%であり、顧客マスター以外の5種類ではこの回答が最多で25.2~27.8%を占めた。
データの不整合や非公式データの管理に対処する作業時間(確認・名寄せ・整合など)について、シャドーマスタがある回答者のうち「把握・推計が難しい」を除く315名の回答から推計したところ、全マスターの合計で回答の平均は月47.9時間相当となった。この数値は回答者の見積もりに基づく推計値であり、設問で作業者の対象を指定していないため、1人あたりの作業時間とは限らないとしている。
AI活用における課題は出力結果の検証不能が最多

AI(機械学習・生成AIを含む)の活用状況については、全回答者562名のうち本番業務で活用している人が74.9%、PoC(概念実証)・試験導入の段階を含めると85.1%となった。
この85.1%にあたる478名(AI活用者)に対し、データに関して直面した問題を尋ねたところ、「AIの出力結果が正確かどうか検証できなかった(データが信頼できない)」が32.2%で最多となった。次いで「複数システムのデータ統合・名寄せの前処理に予想以上の工数がかかった」(31.0%)、「現場の非公式データ(Excel等)が混在し、AI・分析活用の障壁になった」(19.2%)が続いた。

また、現時点でMDMに取り組む予定がない人および何から始めればよいかわからない人を除く480名に、MDMに取り組もうと思ったきっかけを尋ねたところ、「データの不整合が原因で、組織横断のデータ分析や業績評価指標の算出などに支障をきたしたため」が35.2%で最も多かった。

独自のMDM高度化モデルによる自己評価は第1段階が最多
マスターデータ管理の状態を第0段階から第5段階までの6段階で表す独自の「MDM高度化モデル」を用いて自社に最も近い段階を尋ねたところ、問題が生じているが対策前である第1段階(MDM対策検討期)が28.5%で最多となった。主要マスターに全社統一の管理体制がある第4段階(MDM活用期)と第5段階(MDM高度定着期)の合計は17.3%だった。各段階の割合は以下の通りである。

- 第0段階(MDM問題非認知期):23.1%
- 第1段階(MDM対策検討期):28.5%
- 第2段階(MDM整備開始期):19.0%
- 第3段階(MDM整備完了期):12.1%
- 第4段階(MDM活用期):7.8%
- 第5段階(MDM高度定着期):9.4%
なお、本モデルは調査独自の定義であり、業界標準の成熟度モデルや優劣を示すものではない。設問に「わからない場合は、一番上の選択肢をお選びください」との注記があるため、第0段階にはその理由で選択した回答者が含まれる可能性がある。
NTTドコモビジネスX株式会社データマネジメントソリューション部MDMエバンジェリストの水谷哲氏は、シャドーマスタの実態を把握し光を当てることが、企業のデータマネジメントの方向性を決めるうえで重要であるとの考えを示している。
調査および発表元の概要
本調査の概要および発表元の情報は以下の通り。
- 調査名:MDM(マスターデータ管理)実態調査
- 調査方法:オンライン上でのアンケート調査
- 調査対象:従業員数500名以上の企業・団体(製造業、情報通信業、卸売業・小売業、金融業・保険業、医療・ヘルスケア業、サービス業)に所属し、マスターデータ管理・データガバナンス・システム開発のインフラ業務に関わる20~69歳の方 562名
- 調査期間:2026年7月30日~8月5日
- 調査企画:NTTドコモビジネスX株式会社
- 会社名:NTTドコモビジネスX株式会社
- 所在地:〒141-0032 東京都品川区大崎一丁目5番1号 大崎センタービル
- 代表者:代表取締役社長 稲葉 秀司
- URL:https://www.nttcoms.com
本記事はNTTドコモビジネスX株式会社の発表をもとに作成。
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