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商船三井、独企業とFSRU1隻の長期用船契約 2028年にドイツ配備へ

東京都港区に本社を置く株式会社商船三井は、ドイツのエネルギーインフラ企業であるDeutsche ReGas GmbH & Co. KGaAと、既存のLNG船を改造したFSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)1隻の長期用船契約を締結しました。本船は中国の造船所でFSRUへと改造された後、2028年から長期用船され、ドイツ・ムクラン港のLNG輸入基地に配備される予定です。商船三井が単独で開発する既存LNG船改造によるFSRUプロジェクトとしては初となります。

既存LNG船を中国で改造し2028年からドイツへ配備

本契約に基づき、対象となる既存のLNG船1隻は、中国のHudong-Zhonghua Shipbuilding(Group)Co., Ltd.(HZ)にてFSRUへと改造されます。2028年からDeutsche ReGas GmbH & Co. KGaA(Deutsche ReGas)へ長期用船され、ドイツ北東部のリューゲン島に位置するムクラン港のLNG輸入基地「Deutsche Ostsee」に配備される計画です。

FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)は、洋上でLNGを受け入れて貯蔵し、再ガス化して陸上へ送出できる設備で、陸上に貯蔵タンクや設備を新設する場合と比べて低コストかつ短工期で導入できる利点があります。

10月29日には、Deutsche ReGasのCEOであるIngo Wagnerと、商船三井の代表取締役 社長執行役員である田村 城太郎が出席し、関係者による記念式典が開催されました。

LNGバリューチェーン下流領域の展開とガス供給の安定化

商船三井は、世界最大のLNG船隊による輸送実績で培った知見やノウハウを生かし、受入や再ガス化を担うLNGバリューチェーンの下流領域への垂直展開を進めています。今回のプロジェクトを通じ、ドイツおよび欧州のガス市場に信頼性と柔軟性を備えたLNG輸入ソリューションを提供し、ガス供給源の多様化やLNG受入能力の拡充を推進することで、欧州全体のエネルギー安定供給に貢献するとしています。

配備先を運営するDeutsche ReGasは、ドイツ北東部・ルブミンでドイツ初の民間資金による浮体式LNG輸入基地を整備した実績を持ち、現在はムクラン港でLNG輸入基地「Energie-Terminal Deutsche Ostsee」を整備・運営しています。両基地は、ドイツ国内において民間資金で整備された唯一の浮体式LNG輸入基地です。同社は今後、水素製造用の水電解設備の建設や、水素誘導体に関連するインフラ事業も計画しています。

欧州のエネルギー安定供給に向けた各社代表の見解

式典に際し、商船三井の代表取締役社長執行役員である田村 城太郎は「本プロジェクトを通じて、ドイツおよび欧州のLNG輸入体制の強化に貢献するとともに、世界各地でのLNGインフラ事業の展開を一層進めてまいります」と述べています。

また、商船三井 常務執行役員のSuryan Wirya-Simunovicは、本プロジェクトが欧州・アフリカ地域における重要な成果であり、変化する需要に対応する姿勢を示すものとしたうえで、安定運営に向けて関係各社と緊密に連携していく意向を示しました。

Deutsche ReGasのCEOであるIngo Wagnerは、LNG輸入基地「Deutsche Ostsee」が昨年以降FSRU1隻体制で運営されてきた経緯に触れ、新たな本船を迎えて2隻体制へ復帰することで欧州におけるガス供給源の多様化と安定供給体制の強化に貢献できると説明。商船三井との提携により、長期的なガス供給の安定性向上とリスク低減が期待され、消費者およびエネルギー市場の双方に恩恵をもたらすとの考えを示しています。

経営計画「BLUE ACTION 2035」における位置づけ

商船三井グループは、経営計画「BLUE ACTION 2035」Phase 2において、ポートフォリオ戦略を主要戦略の一つに位置付けています。FSRU事業については、LNGバリューチェーンの下流領域で安定収益を生み出す事業と捉えており、本プロジェクトを通じてドイツおよび欧州へのエネルギー安定供給に寄与するとともに、エネルギーインフラ事業のさらなる強化を図っていくとしています。

本記事は株式会社商船三井の発表をもとに作成。

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