スペースデータ、首都圏全列車の運行状況を可視化する統合運行モニターを開発
株式会社スペースデータは、首都圏の主要路線を走る全列車(約360本)の位置や遅れ、混雑を1画面で把握できる鉄道運用モニター「RAIL OPERATIONS(統合運行モニター)」を開発した。悪天候や運行支障が発生した際に影響がどこまで広がるか、どの対策でどれだけ抑えられるかを試算できる機能を備えている。駅ホームのカメラ映像をモニター上に接続して表示することも可能となっている。
全列車の運行状況を1画面で把握

首都圏の主要路線を走る全列車について、現在位置、次の停車駅と到着予定、遅れ、混雑率が一覧で表示される。路線での絞り込みや遅れの大きい順の並べ替えに対応し、一覧で選んだ列車は3D地図上に目印で示される仕組みとなっている。
路線ごとの状態(平常・遅延・直通中止)と優先度の高いアラートが並べて表示され、担当者が対応の優先順位を判断できるよう設計されている。計算は直通運転や急行と各駅停車の違い、待避駅での追い越しまで含め、全列車単位で処理される。なお、画面内の数値はすべて合成データで、事業者名・路線名・駅名は記号に置き換えられている。
悪天候や運行支障の影響と対策効果を試算
大雪、大雨、直通運転中止の3つの事例について、報道や事業者の公表で確認された経過を出典つきで示し、デモの計算結果と分けて表示する。折返し駅、入場規制、案内の時刻などの条件を変更するとその場で再計算され、対策の有無による差が数値で提示される。

- 降雪:運転間隔が延びて駅に乗客がたまる様子を模擬(ある主要駅の滞留:対策なし5,219人 → 対策あり355人)
- 大雨:運転見合わせ中の駅の滞留と、点検の班数・区間運転による再開時刻の違いを比較(再開19:30 → 18:50)
- 直通運転中止:乗換駅での滞留と、平常ダイヤへの復帰時刻を比較(平常への復帰20:00以降 → 18:54)
さらに、路線・区間・時刻を選び、人身事故、車両故障、信号故障、停電、線路への立ち入り、急病人の救護という6種類の支障を発生させることができる。直通中止・折返し運転・振替輸送といった対策を選択でき、遅れが広がる様子は3D地図と「路線×5分」の表で追跡可能となっている。同じ場所・時刻で6種類を同時に比較することもでき、人身事故では190本、車両故障では80本、急病人の救護では35本の列車が影響を受けるといった差異を確認できる。
運行モニターには駅ホームのカメラ映像を接続し、列車の運行状況とホームの様子を同一画面上で確認できる。デモ画面では、公開されている過去の駅ホームの録画映像に対し、人物の顔をぼかす処理を施した素材が使用されている。
システムの技術面では、路線の形状・駅・駅別乗降客数データに国土交通省の『国土数値情報(鉄道データ・駅別乗降客数データ)』を加工して使用し、ダイヤや需要は合成データで作成されている。計算には学習や乱数を用いない決定論の離散事象シミュレーションを採用しており、同じ条件であれば常に同一の結果が得られる。画面構成と計算エンジンは、同社が先行開発した空港運用デモと共通の基盤が用いられている。
なお、本モニターに表示される列車の位置、遅れ、人数、再開時刻などの数値は、公開データをもとにした合成データおよび仮定値による試算であり、実際の運行状況や将来の予測を示すものではないとしている。
実証実験を通じた実用化への展望
東京都港区に本社を置き、代表取締役社長を佐藤航陽氏が務める株式会社スペースデータは、本モニターを起点として鉄道事業者や自治体と連携した実証を進め、実際の運行データや駅カメラ映像との接続を検討していく方針だ。平時の訓練や計画見直しの段階で対策効果を検証し、災害時や大規模な運行支障時の判断を支えることで、都市交通のレジリエンス向上に貢献することを目指している。
株式会社スペースデータの概要
- 社名:株式会社スペースデータ
- 代表:佐藤航陽
- 所在地:東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階
- 資本金:15億1300万円
- 事業内容:宇宙開発に関わる投資と研究
- HP:https://spacedata.jp
本記事は株式会社スペースデータの発表をもとに作成。
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