日本企業の約8割が海外事業に前向き、成長のカギに
株式会社タナベコンサルティンググループが全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者・担当者などを対象に実施した「海外事業に関する企業アンケート調査」の結果が発表された。
調査によると、海外事業の展開状況について約8割の企業が「展開している・取り組みたい」と前向きに回答。今後3年間の業績見通しは約半数が「増収増益」と回答し、海外事業が企業の成長の柱となっていることが明らかになった。
海外事業における重点テーマとして約3割の企業が「海外市場開拓」を挙げており、さらなる成長のカギは新たな海外市場への挑戦にあると考えられている。進出・拡大を検討もしくは進めている国・地域は、「ASEAN」が約半数と最多で、次いで「中国」「アメリカ」「インド」と続く。
一方で、海外事業の課題として約2割の企業が「グローバル人材(事業推進者)の確保」を挙げている。事業を推進できる人材の確保・育成が課題となっているようだ。
また、円安のプラス面として約3割が「為替差益の増加(円)」を、マイナス面として約4割が「原材料/燃料費高騰によるコスト増加」を挙げた。円安は新規進出・拡大の障害や、海外事業の縮小・撤退を検討する直接的な要因とはなっていない傾向が明らかとなった。
専門コンサルタントは、海外事業の加速にはグローバル人材・専門人材の確保・育成が重要であり、限られた内部リソースを最適化し、適切な外部リソースへの投資も必要だと指摘。また、日本企業の約70%が先行きを「さほど良くない」と回答する中、海外事業は更なる成長を加速させるためのトリガーになると述べている。