味の素が「調味料カオスマップ」発表、自炊増加で市場が多様化

味の素株式会社は、多様化する調味料市場において、生活者が持つイメージや使用目的を整理・可視化した「調味料カオスマップ」を公開した。このマップは、2024年2月に実施した一般生活者を対象とした調査結果をもとに作成されたものだ。

調味料市場では、これまで基本的な調味料や風味調味料、異国料理向け調味料が主流だったが、コロナ禍を機に自炊頻度が増加し、手の込んだ料理を楽しむ傾向が強まったことで、こうじやスパイスなどの需要が高まっている。そして現在、市場には多種多様な調味料が存在している。

調味料カオスマップでは、料理への汎用性と味の主張度の2軸で調味料をマッピング・カテゴライズし、『主役ゾーン』、『縁の下の力持ちゾーン』、『個性派ゾーン』、『マニアックゾーン』の4つに分類している。『主役ゾーン』にはしょうゆやマヨネーズ、『縁の下の力持ちゾーン』には「ほんだし®」や「丸鶏がらスープTM」などの地味調味料が入った。

経済アナリスト・渡辺宏明氏は、調味料市場の動向について解説。スーパーの売り場では調味料コーナーが充実し、売上・SKU数ともに右肩上がりになっているという。また、上級者向けの調味料や進化系調味料など新しいジャンルのものも増えてきているが、売上数を見るとまだ上位は定番の調味料が占めており、生活者はオールマイティで堅実、地に足の着いた定番のものを求めていることが伺えるとのことだ。

また、料理研究家・もあいかすみ氏が、調味料の活用術について解説。調味料は料理ジャンルを問わず活用できるため、今回のカオスマップは生活者にとって新しい気づきになると述べている。また、料理の味を構成する五味のうち、甘味・塩味・酸味は基本の調味料「さしすせそ」でカバーでき、うま味は「地味調味料」にもたっぷり含まれており、味のベースとなって素材の味・香りを引き立てることができるため、料理をする際は汎用性が高い「さしすせそ」と「地味調味料」を押さえることが重要だと語った。