Dellows News

ガラリShowcaseで鋳金作家河﨑海斗の個展が9月4日から開催へ

長野県小布施町にある北斎館プロデュースのギャラリー「ガラリShowcase」で、2026年9月4日から10月20日まで、鋳金作家の河﨑海斗による個展「うつろい、留める」が開催される。本展では、小布施で古くから栽培されてきた古典菊「巴錦」をモチーフにした新作などが公開される予定だ。北斎館が所蔵する葛飾北斎の肉筆画《菊図》に着想を得て、金属を溶かして型に流し込む鋳金の技法で制作された作品が並ぶ。

北斎の肉筆画に描かれた菊を鋳金で表現

展示の中心となる新作「画狂ノ菊」は、花びらの内側が深紅、外側が黄金色をした菊「巴錦」をかたどった作品である。小布施では江戸時代から育てられ、加賀藩主が名付けたという伝承から「殿様菊」とも呼ばれている。北斎館が所蔵する晩年の肉筆画《菊図》の中央に描かれた菊も巴錦とみられている。

河﨑は、表裏で色が異なる花弁を表現するにあたり絵具を使わず、金属の配合比率や化学反応を駆使して色彩を引き出している。

江戸時代の技法「緋銅」を駆使した制作

河﨑が大学院で研究を重ねてきた「緋銅(ひどう)」は、純度の高い銅を溶ける寸前まで熱した後に急冷し、表面の酸化膜を赤く発色させる江戸時代発祥の技法である。鋳造においてこの赤色を出すことは難しく、温度が数十度ずれると黒ずんでしまうが、河﨑は鋳込みの温度を1040度に保つことで鮮やかな赤を実現している。

河﨑は「画狂ノ菊」について、金属という素材が生み出す色彩と北斎が描いた菊の表現をもとに一輪の菊をかたちにしたとし、「自然が生み出す造形や色彩と、人の手によって生み出される金属の色や質感。それぞれが持つ美しさをどのように一つの作品の中で共存させられるかを模索しながら制作しました」とコメントしている。

作家の経歴とガラリShowcaseの取り組み

河﨑海斗は2000年広島県呉市生まれ。2024年に東京藝術大学美術学部工芸科鋳金専攻を卒業し、2026年に同大学院美術研究科修士課程を修了した。金魚や蛙といった身近な生き物を鋳金で成形し、樹脂の中に配置する作品などで知られ、サロン・ド・プランタン賞など多数の受賞歴を持つ。

会場となるガラリShowcaseは、一般財団法人北斎館がプロデュースするカフェ&ギャラリーで、「小布施×現代の匠」「北斎×現代の匠」をテーマに、現代の作家や北斎の作品をアレンジした展示・販売を行っている。

個展の開催概要

  • タイトル:河﨑海斗個展 うつろい、留める
  • 会期:2026年9月4日(金)〜10月20日(火)
  • 会場:ガラリShowcase(長野県上高井郡小布施町小布施485 ガラリ2階)
  • 営業時間:10:00〜16:00
  • 定休日:水曜(シルバーウィーク期間の9月23日水曜は営業、翌24日木曜は休み)
  • 入場料:無料
  • 主催:一般財団法人北斎館ガラリShowcase

本記事は一般財団法人北斎館の発表をもとに作成。

アクセスランキング

今日

1週間