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株式会社シーティーエスなど、河川工事現場でAIカメラによる水位検知の実証を開始

株式会社シーティーエス、DSRアジア、岩田地崎建設株式会社の3社は、関東地方の河川堤防整備工事の現場において、AIカメラによる水位検知の実証実験を開始しました。株式会社シーティーエスが提供するクラウド映像サービス「IoT SmartHub」の新機能として開発中のAI水位検知ソリューションについて、実際の河川工事現場での実運用適性を検証します。

気候変動に伴う水害リスクの高まりが背景

近年、集中豪雨や台風などによる水害が多発・激甚化しています。気象庁の解析によると、1時間降水量50mm以上の短時間強雨の年間発生回数は、直近10年間の平均で統計開始当初の約1.5倍に増加しています。また、国土交通省の「水害統計調査」によれば、日本の年平均水害被害額(平成27年価格換算)は、2014年から2023年の10年間平均で約7,516億円と、その前の10年間(約5,089億円)の約1.5倍に達しています。河川に近接する建設現場では急激な水位上昇が安全を脅かすリスクとなっており、水位変動を客観的かつ継続的に監視し、迅速な避難判断を支援する仕組みが求められています。

国土交通省が令和6年4月に公表した「i-Construction 2.0」では、2040年度までに建設現場の省人化3割、生産性1.5倍を目標に掲げて施工管理のオートメーション化を推進しており、今回の実証は安全管理領域におけるAI技術の実装としてこの施策と軌を一にする取り組みとなります。

実際の河川工事現場における検証内容と技術的特長

実証実験は、岩田地崎建設株式会社が施工する関東地方の河川堤防整備工事の現場で実施されます。AXISネットワークカメラと、DSR Corporationの完全子会社であるNoemaが開発したAI洪水検知アプリケーション「Noema Flood Monitor」を組み合わせ、エッジAIによる水位検知と「IoT SmartHub」を通じた閾値判定・即時通知の仕組みを検証します。

検証項目として、水面認識の安定性およびRuler(水位判定ライン)表示の追従性、撮影距離や画角、設置高さによる検知性能の違い、夜間や雨天時における映像品質とAI検知性能、超高感度ボックス型カメラとバレット型カメラの比較、クラウド録画および遠隔確認の安定性、現場設置や撤去、保守における作業性などが挙げられています。

本システムの技術的特長は以下の通りです。

  • エッジAI解析による迅速な検知:NoemaのエッジAI技術によりカメラ内部でAI解析を完結し、通信負荷を抑えつつ水位の変化を即時にデータ化
  • 2台構成による比較検証:超高感度ボックス型カメラ(CAM01)と広角バレット型カメラ(CAM02)を同一地点に設置し、撮影距離・画角・設置位置の違いによるAI水位検知性能を比較
  • 商用電源不要のオフグリッド構成:ソーラーパネルと蓄電池による電源供給と4G LTE通信を組み合わせ、電源インフラのない河川沿いでも設置・運用が可能
  • 「IoT SmartHub」による閾値判定と即時通知:「IoT SmartHub」がAIカメラから受け取った水位データをもとに閾値判定を行い、設定した基準を超えた場合にチャットによる管理者通知を即時に実施
  • 「CamStreamer Cloud」によるセキュアな運用:株式会社シーティーエスが提供するクラウド録画サービスを通じてセキュリティリスクを抑えながら遠隔からの映像確認とシステム保守を実現

今後の展開

水害の激甚化が進む中、河川工事現場のほか、道路の冠水監視や市街地の浸水予測など水位監視のニーズ拡大が見込まれています。株式会社シーティーエス、DSRアジア、岩田地崎建設株式会社の3社は、実証を通じて得られた知見をもとに、河川監視・道路冠水監視向けAIソリューションの標準構成、設置条件、運用方法を整理し、サービスとしての展開を目指すとしています。

株式会社シーティーエスは、「IoT SmartHub」の新たな機能として開発を進めている今回のAI水位検知の成果を統合し、現場業務支援サービス「サイトアシストパッケージ(SAP)」のラインナップ拡充を通じて建設現場の安全管理自動化と社会インフラの強靭化を支援する方針です。

実証に参画する企業

本実証に関わる各組織の概要は以下の通りです。

株式会社シーティーエス

  • 所在地:長野県上田市古里115
  • 代表者:代表取締役 社長執行役員:横島 連
  • 設立:1972年4月11日
  • URL:https://www.cts-h.co.jp/
  • TEL:0268-26-3700(代表)
  • FAX:0268-26-2102(代表)

岩田地崎建設株式会社

  • 所在地:北海道札幌市
  • 代表者:代表取締役社長:岩田 幸治
  • 概要:1922年に岩田組として創業し、2007年に岩田建設と地崎工業の合併により発足した総合建設会社
  • URL:https://www.iwatachizaki.jp/

DSRアジア/DSR Corporation/Noema

  • DSR Corporation:コロラド州デンバーに本社を置くソフトウェア開発会社。日本子会社としてDSRアジア(神奈川県横浜市、アジア・パシフィック ジェネラルマネジャー:鎌田博之)を置く(URL:https://jp.dsr-corporation.com)
  • Noema:DSR Corporationの完全子会社で、コンピュータビジョンアプリケーションを開発(URL:https://noema.tech/jp/)

本記事は株式会社シーティーエスの発表をもとに作成、一部国土交通省の公表情報を参照しています。

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