ウォーカー、AIエージェント向けセキュリティ対策スキル3本をGitHubで無料公開
株式会社ウォーカーは、AI エージェント向けの「Agent Skills」を日本語で探せるマーケット「cccskills」の公式 GitHub で、セキュリティ対策のスキル 3 本を無料で公開しました。Claude Code や Codex などの AI エージェントに追加することで、スキルや設定ファイルに隠された命令の検査、npm のサプライチェーン攻撃への備えの点検、情報漏えいが起きたときの初動の整理を日本語で指示できるようになります。
背景にあるAIエージェント悪用やサプライチェーン攻撃
Agent Skills は、AI エージェントに作業手順を伝える指示書(SKILL.md)とスクリプトのセットです。エージェントが指示にそのまま従う特性を突き、スキル自体が攻撃経路となる事例が報告されています。米 Snyk 社が 2026 年 2 月に公開した調査(Cloud Security Alliance の解説による)によると、公開スキル 3,984 件のうち 76 件で悪意のある処理が確認されました。人の目には見えない Unicode 文字で命令を隠す手口や、説明文と異なる処理を紛れ込ませる手口、リポジトリの設定ファイルのフック機能を利用してコマンドを実行させる手法などが挙げられています。
開発現場における npm のサプライチェーン攻撃も発生しています。2026 年 3 月には HTTP クライアントの axios で開発者アカウントが乗っ取られ、遠隔操作型のマルウェアを含むバージョンが約 3 時間公開されました。8 月には認証情報を窃取するマルウェアが 434 のパッケージに混入したと米 Aikido Security 社が報告しており、Claude Code などが自動で読み込む設定ファイルを追加する仕掛けも確認されています。
また、国内におけるランサムウェア被害の公表は 2026 年 1〜9 月で 82 件にのぼります(トレンドマイクロ調べ)。企業が被害を把握した場合、個人情報保護委員会へ発覚から 3〜5 日以内に速報を提出する必要があり、短期間での判断と文書作成が求められます。
公開された3つのセキュリティ対策スキル
今回公開された 3 本のスキルは以下の通りです。
- skill-security-audit:スキルとエージェント設定の安全検査を行うスキルです。SKILL.md、スクリプト、CLAUDE.md、フックの設定、MCP の設定を読み取り、見えない Unicode 文字による命令の隠蔽や、認証情報の読み取り、Webhook などへの送信、リバースシェルなどを検出します。該当箇所が注意書きか実行指示かを本文で見分け、「入れない/確認してから入れる/入れてよい」で判定します。
- npm-supply-chain-check:npm のサプライチェーン攻撃への備えを点検するスキルです。JavaScript・TypeScript のプロジェクトを読み、ロックファイルの全パッケージについて公開からの日数やインストール時に動くスクリプトを npm レジストリで調査します。公開直後や取り下げ済みのバージョンを洗い出すほか、設定の差分を提示します。
- incident-first-response-jp:情報漏えいやランサムウェア被害の初動を支援するスキルです。個人情報保護委員会への報告要否を判定し、速報(3〜5 日以内)や確報(30 日以内、不正の目的によるものは 60 日以内)の期限を日付で示します。ネットワークの切り離しなど最初の 72 時間のチェックリストや、社内報告、委員会への報告、公表文などの下書きを作成します。
提供されるスキルの特長と安全性判定
これらのスキルは検査対象を実行せずファイルも書き換えない仕組みとなっており、skill-security-audit の検査スクリプトはネットワークを使用しません。npm-supply-chain-check の通信も npm レジストリからの公開情報取得のみに限定されています。日本語での指示に対応し、MIT ライセンスのオープンソースとして提供されます。なお、いずれのスキルも既知の手口や公開資料に基づく点検と下書きの補助であり、安全性を保証するものではなく、情報漏えい対応では提出前に弁護士など専門家の確認を受けることが前提とされています。
あわせて、マーケット「cccskills」では掲載する 10 万件以上のスキルについて安全面を A/B/C で判定しています。2026 年 10 月 27 日時点で判定が付いている 6,087 件のうち、3,533 件が A、2,400 件が B、154 件が C となっています。
利用時は、Claude Code などのターミナルで以下のコマンドを実行して追加します。
npx skills add https://github.com/cccskills/skills –skill skill-security-auditnpx skills add https://github.com/cccskills/skills –skill npm-supply-chain-checknpx skills add https://github.com/cccskills/skills –skill incident-first-response-jp
関連リンク:
- GitHub:https://github.com/cccskills/skills
- cccskills:https://cccskills.com
会社概要
- 会社名:株式会社ウォーカー
- 所在地:〒113-0034 東京都文京区湯島3-14-8 加田湯島ビル5階
- 代表者:代表取締役 伊東 雄歩
- 事業内容:Agent Skills マーケット「cccskills」の運営 ほか
本記事は株式会社ウォーカーの発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



