Dellows News

オラクル、AI基盤の信頼性を高める新アーキテクチャを発表

オラクルは、企業のテクノロジー・スタックに信頼性を組み込むための設計指針となる「Deep Trust AI Architecture」を発表した。「Oracle AI Database」、「Oracle Autonomous AI Database」、「Oracle APEX AI Application Generator」の機能を組み合わせ、スタック自体にセキュリティやプライバシー、ビジネス・ルールの適用といった特性を持たせる。AIエージェントやAI生成アプリケーションが増加するなか、組織が直面するリスクの低減とイノベーションの加速を支援する。

4つのレイヤーに信頼性を組み込む設計指針

「Oracle Deep Trust AI Architecture」は、ソフトウェア・プラットフォーム、データ、データ・アクセス、アプリケーション開発という4つのレイヤーの深部に信頼性を組み込むアプローチをとる。これにより、AIモデルによる迂回や侵害を防ぎ、個別のアプリケーションやエージェントの実装精度に依存しない保護環境の構築を目指す。

オラクルのAI Database Technologies担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるホアン・ロアイザ(Juan Loaiza)氏は、AIがもたらす生産性やイノベーションの恩恵を得るには生成物の信頼性が不可欠であるとし、各レイヤーに信頼性を組み込むことで、組織がAIエージェントやAI生成アプリケーションのアクセスやアクションに対する制御を維持できると説明している。

基盤レイヤーにおいて「Oracle Autonomous AI Database」は、データベース・エンジン、オペレーティング・システム、ストレージ、ファームウェア全体に対し、ソフトウェア・アップデートが公開される前にセキュリティ・アップデートを自動適用する。ローリング・パッチ適用により業務の中断を防ぐほか、常時有効な暗号化によって保存中および転送中のデータを保護する。同データベースは主要なハイパースケーラーのほか、「Oracle Cloud@Customer」を介してオンプレミス環境でも利用できる。なお、クラウド上で共同管理するシステムやオンプレミスのシステム保護に向けて、2027年2月末まで先進的なセキュリティ・ツールとパッチ適用ツールが無償または大幅な割引価格で提供される。

データ層においては、「Oracle Deep Data Security」を通じてエンドユーザーのアクセス・ルールを「Oracle AI Database」内に直接定義し、すべてのSQLリクエストに適用する。企業のディレクトリが発行した暗号署名付きトークンで本人確認を行う仕組みとなっている。さらに「Oracle SQL Assertions」により、従業員の支出上限を超える請求を認めないといったビジネス・ルールをデータベース側で適用し、不正な更新や競合する変更を防止する。

データ・アクセス層では、「Oracle Deep Trust Data APIs」が発注書などの論理的なビジネス・オブジェクトに対して制御された読み取り・書き込みアクセスを提供する。アプリケーションやエージェントは必要なオブジェクトのみを扱い、参照や変更のルールはデータベース側が適用する。

業務ユーザー向けの「Oracle Deep NL2SQL」では、組織の用語や業務慣行といった業務知識とデータの定義情報を組み合わせたコンテキストを提供する。ユーザーが不正確な回答を修正できるContinuous Feedback Learningや、修正内容のナレッジ・ベースへの取り込み前に妥当性を検証するKnowledge Change Verificationを備え、組織のデータと業務のコンテキストを反映したSQL生成を可能にする。

宣言型言語によるアプリケーション生成と運用の簡素化

アプリケーション開発層では、「Oracle APEX AI Application Generator」によって自然言語による指示を宣言型アプリケーション定義言語であるAPEXlangに変換する。「Oracle APEX」が一元管理された実行基盤上で稼働するため、AIが生成した膨大な実行コード自体の保護や保守といった負担を抑えられる。開発環境としては「Oracle APEX」やVS Codeのほか、CodexなどのAIコーディング・エージェントも利用できる。

HyperFRAME ResearchのCEOであるSteven Dickens氏は、オラクルがAIモデルの性能競争からアーキテクチャの信頼性へと軸足を移し、データアクセスからアクションに至る一連の流れに信頼性の仕組みを統合した点について、業界の水準を引き上げる取り組みであると評価している。

企業概要

  • 企業名: オラクル(Oracle Corporation、NYSE: ORCL)
  • 事業内容: 統合されたアプリケーション・スイートと自律型のインフラストラクチャをOracle Cloudで提供
  • 公式ウェブサイト: www.oracle.com

本記事はオラクルの発表をもとに作成されています。

アクセスランキング

今日

1週間