インジェンタの研究ナビが2026年度グッドデザイン賞を受賞
インジェンタ株式会社が開発する医薬研究支援ソフトウェア「研究ナビ」が、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する2026年度グッドデザイン賞を受賞した。あわせて、審査委員が個人的に注目したデザインを紹介する企画「私の選んだ一品 2026」にも選出されている。同ソフトウェアは、論文や特許などの分散した知識をGraph AIで構造的につなぎ、医薬研究における仮説探索や文献調査を支援するAIプラットフォームとなっている。
知識の構造化と根拠提示で研究者の判断を支援
医薬研究では、論文や特許のほか、組織内の研究報告や実験データ、過去の検討履歴など、異なる場所や形式で情報が蓄積されている。「研究ナビ」は、これらの分散した情報をGraph AIでつなぎ、情報同士の関係をたどりながら仮説検証の手がかりを探せるように設計された。
同ソフトウェアは、AIが回答を示すだけでなく、関連する文献や組織内データ、知識同士のつながりといった根拠をあわせて提示する。研究者が自身の専門知識と照らし合わせて判断できる環境を目指しており、文献調査から仮説探索、根拠確認、検証に向けた検討までを一連の流れとして支援する。提供形態としては、国内(東京リージョン)のクラウド環境で企業ごとにデータを分離管理し、入力データが学習に利用されないAPIを採用したクラウド版と、医療・製薬向けに調整した国産LLMを社内環境で運用できるオンプレミス版が用意されている。
副社長で同製品のプロデューサーを務める林 志川は、AIの答えを信じてもらうことではなく確かめてもらうことを大切にしたと述べており、研究者が根拠をたどって自らの専門知識で判断するための道筋を示す取り組みが評価されたとしている。
審査委員の評価と「私の選んだ一品 2026」への選出
グッドデザイン賞の審査委員からは、生成AIの強みである膨大なテキストの整理能力を活用したシステムであり、知識のつながりを可視化することで医薬研究の進歩に大きく貢献することが期待されると評価された。
また、二次審査を通じて審査委員が気になったデザインを選ぶ企画「私の選んだ一品 2026」にも選出された。2026年は101名の審査委員が選んだ88点の一品が紹介される。同製品を選出した審査委員の並河 進氏(dentsu Japan チーフ・AI・オフィサー/エグゼクティブ・クリエイティブディレクター)は、大規模言語モデルの特性を生かして文献の関係性を構造化・推論するアプローチについて、幅広い研究分野に応用できる可能性があるとの見解を示している。
幅広い産業への技術展開
「研究ナビ」の中核を担うGraph AIエンジンは、医薬研究にとどまらず、製造業における暗黙知の形式知化や影響調査、建築設計の知識活用、資格試験の教材管理など多方面で活用されている。
さらに、同エンジンを活用して顧客の声からインサイトを抽出するサービス「InsightCraft」も展開されている。大手製薬会社のコールセンターやマーケティング部門との共創を通じて開発されたもので、今後はSaaSとしての本格展開が予定されている。
受賞展やトークイベントの開催予定
受賞に伴い、関連する展示やイベントが予定されている。
- グッドデザイン賞受賞展「GOOD DESIGN EXHIBITION 2026」
会期:2026年10月31日(土)〜11月4日(水) 会場:東京ミッドタウン(東京都港区赤坂9-7-1) 内容:パネル展示および「私の選んだ一品」コーナーでの紹介 詳細:https://www.g-mark.org/
- グッドデザイン賞審査委員セレクション 私の選んだ一品 2026 第2期「未来をつくるものづくり」
会期:2026年10月31日(土)〜11月13日(金)11:00〜20:00(最終日は17:00まで) 会場:GOOD DESIGN Marunouchi(東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1F) 入場:無料・予約不要 内容:実機の展示・操作 詳細:https://www.jidp.or.jp/ja/2026/09/27/ippin26
- トークイベント「文献の海を構造化する ― AIが“読む”とはどういうことか」
日時:2026年11月10日(火)19:00〜20:00 会場:GOOD DESIGN Marunouchi 登壇者:林 志川(「研究ナビ」プロデューサー)、並河 進氏(グッドデザイン賞審査委員) 参加:予約不要
本記事はインジェンタ株式会社の発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



