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アンチディテクトブラウザの犯罪悪用が判明 CPRが最新の調査結果を発表

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの脅威インテリジェンス部門であるチェック・ポイント・リサーチ(CPR)は、アンチディテクトブラウザに関する最新の調査結果を発表しました。調査により、本来は正当な用途もある同ツールが、アカウント乗っ取りや決済詐欺などのサイバー犯罪に悪用されている実態が明らかになりました。さらに、市販ツールとAIを組み合わせることで大規模な偽オンラインIDネットワークの運用が容易になり、組織的な活動を通じて選挙期間などの言論に影響を及ぼす恐れがあると指摘しています。

ウェブサイトは画面解像度やタイムゾーン、フォント、WebGL情報などの組み合わせから形成されるブラウザのフィンガープリントをもとにユーザーを識別します。アンチディテクトブラウザはこれらの情報を操作し、各プロファイルを別々のユーザーやデバイス、所在地からの利用であるかのように偽装できるツールです。Facebook、Instagram、TikTok、YouTube、Xなどのソーシャルメディアでの複数アカウント管理のほか、ECサイトや金融サービスなどにも広く対応しています。

CPRの調査によると、アンダーグラウンドのフォーラムや犯罪者向けマーケットプレイスにおいて、同ツールがアカウント乗っ取り、決済カード詐欺、不正なローン申請、偽アカウントの大量作成に利用されている形跡が確認されました。窃取したセッション情報をブラウザに直接取り込める攻撃ツールの広告や、複数のアンチディテクトブラウザ上で動作するマルウェアの参加者募集なども見つかっています。攻撃者は偽装プロファイルと窃取したセッションCookieを組み合わせることで、通常の認証チェックをすり抜けてアカウントを乗っ取ることが可能です。

市販ツールの普及とAIによる大規模運用化

現在、アンチディテクトブラウザはサブスクリプションやカスタマーサポート、自動化機能を備えた商用ソフトウェアとしてエコシステムを形成しています。CPRの調査では、AdsPower、MultiLogin、Kameleoなどのツールが複数プロファイルの管理や自動化、フィンガープリント変更機能を備えていることが確認されました。

さらに、AIの活用により活動規模が拡大する懸念も高まっています。例えばAdsPowerは大規模言語モデル(LLM)と連携するための専用MCPサーバーの提供をうたい、「いいね」やコメントなどを一括実行できる自動化テンプレートも存在します。AIによるコンテンツ生成と自動配信を組み合わせることで、少人数で多数のアカウントを運用し、世論やSNS上の反応を組織的に操作するリスクがあります。

チェック・ポイントのデータリサーチマネージャーであるオマー・デンビンスキー(Omer Dembinsky)は、問題は偽アカウントの作成だけでなく、一見すると互いに独立した何千ものデジタルIDを大規模に運用できてしまうことにあると指摘しています。

組織に求められるインフラレベルでの検知対策

アンチディテクトブラウザは正規の識別シグナルを操作するため、個々のアカウントの挙動を監視する従来の手法だけでは検知が困難です。CPRは、組織に対してインフラやセッションレベルまで検知範囲を広げることを求めており、以下の対策を推奨しています。

  • インフラレベルのシグナルを監視する:アンチディテクトブラウザの使用痕跡や住宅用プロキシの大規模利用、WebRTCの抑制パターンなどを検知する
  • セッションの監視を強化する:事前に認証されたセッションの異常や不自然なCookie注入の手法を特定する
  • 不正検知の仕組みを見直す:操作される可能性があるデバイスの一貫性やセッションの継続性に過度に依存していないか確認する
  • アカウント間のつながりを分析する:単一アカウントのアクティビティにとどまらず、複数アカウントにわたる不審な挙動を調べる

発表企業について

  • Check Point Research:チェック・ポイントの脅威インテリジェンス部門。ThreatCloud AIに保存されたデータを収集・分析し、100人以上のアナリストや研究者がサイバー脅威インテリジェンスを提供
  • チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社:1997年10月1日設立、東京都港区に拠点を置く全額出資日本法人

本記事はチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズが米国時間2026年10月20日に発表したブログをもとに作成しています。

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