前衛作家・芥川紗織の生誕100年展が銀座で開催

1950年代に一躍脚光を浴びた前衛作家、芥川紗織の生誕100周年を迎え、NUKAGA GALLERYにて展覧会「芥川紗織:烈しいもの。燃えるもの。強烈なもの。」が2024年5月20日から7月3日まで開催される。

芥川紗織は、1924年に愛知県に生まれ、東京音楽学校(現東京藝術大学)声楽部に入学するも、在学中に作曲家の芥川也寸志と結婚し、音楽家への道を断念。しかし、表現への渇望から絵画の道を歩み始めた。

1955年には岡本太郎に選出され、「二科会」の第九室「九室会」に出品し「特待賞」を受賞。一躍、新進気鋭作家の旗手として注目を浴びる。当初は「女」をテーマに作品を描いていたが、やがて「民話」や「神話」に題材を求め、原初的イメージ溢れる染色画を発表するようになった。

1957年に芥川也寸志と離婚後、渡米。ロサンゼルスのデザイン学校に学び、ニューヨークの美術学校「アート・スチューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨーク」で抽象絵画を志向するようになる。1962年に帰国後、抽象絵画を発表し始めた。

1966年1月31日、妊娠中毒症にて41歳の若さで急逝。わずか15年ほどの画業でありながら、独自の表現を求めてエネルギーを燃やし続けた芥川紗織。本展では、初期油絵から染色画、抽象絵画に至るまでの作品を展示し、その足跡の全体像に迫る。

生誕100年を迎え、日本国内外で再評価の機運が高まる中、この機会に芥川紗織の屹然とした生き様と一体化された強靭な絵画表現を堪能できる貴重な機会となるだろう。