ロームがTP-PFCコントローラIC BM85060FVを開発 電源小型化へ
京都市に本社を置くローム株式会社は、高効率で小型のAC-DC電源の実現に貢献するTotem Pole PFC(TP-PFC)コントローラIC「BM85060FV」を開発した。次世代パワーデバイス材料であるGaN HEMTの高周波スイッチングに対応するMHz帯での動作が可能で、システムレベルで99%の変換効率の実現を可能にしている。同製品は2026年10月より販売を開始している。

99%の変換効率と電源回路の小型化を両立

BM85060FVは、ACアダプタやプロジェクターなどの民生機器、小型産業機器に用いられる300~500WクラスのAC-DC電源において、システムレベルで99%の変換効率が実現できる。
GaN HEMTの高周波スイッチングに対応してMHz帯で動作することで、電力損失や発熱を抑制する。さらに、スイッチング周波数の高周波化によって周辺部品の小型化が可能となり、電源回路の省スペース化にも貢献する。
待機電力の削減と保護機能の内蔵
無負荷時消費電流は150μAを達成し、一般品と比べて70%低減した(※2026年10月27日現在 ローム調べ)。システムの待機電力削減が容易になることで、米国DoEのエネルギー効率要求であるDoE Level7や、欧州委員会のCoC Tier2が定める省エネルギー要求を満たす電源システムの構築に貢献する。
また、雷サージ対策回路をはじめ、AC-DC電源に求められる各種保護機能を内蔵しているため、設計負担の軽減やシステム信頼性の向上にも寄与する。
高まる省エネ規制と開発の背景
近年、ACアダプタや民生機器、小型産業機器では、高機能化に伴って電力需要が増大する一方、機器の小型化や省エネルギー化への要求が高まっている。エネルギー効率規制の強化も加わり、動作時の変換効率向上と無負荷時の消費電力低減の両立が求められていた。
従来のSiパワー半導体に比べて高周波スイッチングが可能なGaN HEMTと、導通損失を低減できるTP-PFC回路を組み合わせた電源は有力な解決策として期待されてきた。しかし、従来のMCU制御では消費電力や回路規模、コスト面に加え、GaN HEMTの高周波スイッチングを実現するための制御が課題となっていた。こうした状況を受け、低消費電力での制御とMHz帯の高周波スイッチングを可能にする専用コントローラICとして本製品が開発された。
販売体制と評価環境
新製品は2026年10月より販売を開始しており、サンプル価格は670円/個:税抜となっている。インターネット販売にも対応しており、330W設定済製品が以下のオンラインショップなどで購入できる。
- ROHM Online Store
- コアスタッフオンライン
- Arrow.com
- DigiKey
- Mouser
あわせて、BM85060FVを搭載した330W出力のTP-PFC評価ボードも用意されており、GaN HEMTを採用した高効率AC-DC電源の開発をサポートする。ロームは今後も、GaN HEMTをはじめとするパワー半導体と、性能を引き出すアナログICを組み合わせたパワーソリューションを提供し、電子機器の小型化や省電力化に貢献していくとしている。
本記事はローム株式会社の発表をもとに作成。
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