MadeHereが海上自衛隊補給本部と製造中止部品対策の技術調査契約を締結
デュアルユースのスタートアップ企業である株式会社MadeHereは、2026年8月21日、海上自衛隊補給本部と製造中止部品の調達対策に向けたリバースエンジニアリング技術調査に関する契約を締結した。
本技術調査は、製造中止となった部品について、現物の解析や代替品・復刻品の検討を通じて機器の機能を回復するための手法を調査するものである。デヴォア・アレキサンダーとデヴォア 愛子が代表取締役を務め、神奈川県横浜市に本社を置く同社は、防衛装備品の維持に向けた調達課題の解決を目指す。
装備品の長期運用で生じるDMSMS部品の課題
日本の防衛装備品は数十年にわたり長期運用されている一方、搭載される電子部品や機械部品は、メーカーの事業終了や製品の世代交代によって製造が中止され、供給源を失うケースが生じている。
このように供給源を失った防衛装備品の部品は、DMSMS(Diminishing Manufacturing Sources and Material Shortages:製造源の消滅と供給不足)部品と呼ばれる。DMSMS部品が必要な際に入手できなくなると、装備品の整備や可動率維持に支障をきたすおそれがあり、その調達対策は日本の装備品の運用基盤を支える重要な課題となっている。
3Dスキャンと解析による復刻製造の取り組み
民間産業と防衛の両分野で利用できるデュアルユース技術を手がける株式会社MadeHereは、双方の分野における廃番部品の調達課題に取り組んでいる。
長年使われる設備ほど当時の図面や製造データが残っておらず、メーカーでの生産も終了して稼働で損傷した現物しか残っていない事例が多い。同社はこうした廃番品に対し、現物の3Dスキャンとリバースエンジニアリングによる解析を実施し、製造品ごとに適したサプライチェーンの構築と管理による復刻製造を提供している。
これまでに民間ではエネルギー・化学・食品などのプラント設備部品、防衛では自衛隊や米軍の装備品部品を製造してきた実績を持つ。また、2026年2月には米国海兵隊補給処整備コマンドと、インド太平洋地域の活動において日本の産業基盤を活かした製造・整備インフラ補完体制の構築を目指す官民パートナーシップを締結している。
技術調査の契約概要
防衛省・海上自衛隊が公表している契約情報および公募の公示に基づく契約の概要は以下の通りである。
- 件名:技術調査/製造中止部品対策 リバースエンジニアリング(ORR-13C)
- 発注元:海上自衛隊補給本部
- 契約相手方:株式会社MadeHere
- 契約締結日:2026年8月21日
今後の展望と民間プラントへの活用
株式会社MadeHereは今後、本技術調査を通じて製造中止による廃番部品の復刻や代替に関する知見を積み上げ、防衛装備品のDMSMS課題解決に貢献していく構えだ。あわせて、調査で得た知見は民間の産業プラントにおける廃番部品対策にも生かしていくとしている。
代表取締役のデヴォア・アレキサンダーは、何十年も稼働し続ける設備が部品ひとつ手に入らないことで稼働停止に陥るリスクに触れ、今回の技術調査を通じて海上自衛隊の装備品を支えながら、日本の産業と防衛の現場を足元から支える存在になりたいとコメントしている。
株式会社MadeHere 会社概要
- 社名:株式会社MadeHere
- 所在地:神奈川県横浜市鶴見区小野町75-1 LVP1-101
- 代表者:代表取締役 デヴォア・アレキサンダー、デヴォア 愛子
- 設立:2016年2月
- URL:https://madehere.co.jp/
本記事は株式会社MadeHereの発表をもとに作成。
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