AI導入前の業務課題設定は28.1% 期待未達率に2倍以上の差と判明
株式会社Engineerforce(エンジニアフォース)は、企業でAI・生成AIの導入に関わるビジネスパーソン217名を対象に実施した「業務におけるAI導入・活用の実態調査」の結果を発表しました。調査によると、具体的な業務課題を設定したうえでAIを導入した企業はわずか約3割にとどまり、約7割が課題が不明確なまま導入を進めていたことが明らかになりました。さらに、事前の課題設定の有無によって成果の実感度や期待未達率に大きな開きが生じている実態も浮き彫りとなっています。
具体的な業務課題を設定して導入した企業は28.1%
AI導入前にどの程度まで業務課題を明確にしていたかを尋ねたところ、具体的な業務課題を設定していた企業は全体のわずか28.1%でした。内訳をみると、「数値目標まで具体的に決まっていた」企業が2.8%、「業務課題は具体的に決まっていた」企業が25.3%(合計28.1%)にとどまっています。
最も多かった回答は「大まかな目的はあったが、対象業務までは決まっていなかった」の37.8%でした。また、「AI導入を先に決め、その後に活用方法を検討した」と「明確な業務課題や目的は決まっていなかった」がそれぞれ15.7%を占め、合計31.4%が導入目的自体が不明確な状態で進めていたことが示されています。

課題設定の有無で期待未達率に2倍以上の差

導入前の課題設定の明確度別に成果の実感を分析した結果、課題設定が明確だった企業(明確群)では72.1%が「成果を十分以上に得られている」と回答した一方、不明確だった企業(不明確群)では34.0%にとどまりました。

期待未達率(「一定の成果は得られているが、期待には届いていない」「ほとんど成果を得られていない」「まったく成果を得られていない」の合計)においては、明確群が27.9%だったのに対し、不明確群は63.3%と2倍以上の差がついています。特に「AI導入を先に決めた」層の期待未達率は73.5%に達し、「業務課題が具体的だった層」の29.1%と比較して約2.5倍の差が見られました。また「明確な課題なし」の層では、「ほとんど成果を得られていない」(20.6%)と「まったく得られていない」(5.9%)を合わせた割合が26.5%にのぼっています。
半数超がAIを使うこと自体の目的化を実感
「AIを使うこと自体が優先されている」と感じたことがあるかという質問では、「頻繁に感じる」と「ときどき感じる」を合わせて53.5%と、半数以上が目的化を経験していると回答しました。

目的化を感じた具体的な場面としては、「まずAIを使うという前提で施策や業務改善の検討が始まったとき」が51.7%で最多となりました。次いで「具体的な目標が決まっていなかったとき」(34.5%)、「AIで解決する必要がない業務にも利用を求められたとき」(24.1%)が続いており、業務課題の解決よりもAIの利用が先行する状況がうかがえます。


求められる支援は社員研修と導入前の課題明確化
AI活用を定着させるために今後必要だと思う支援や取り組みについては、「社員向けのAI研修・教育を実施すること」が43.8%で最も多く、次いで「AI導入前に解決する業務課題を明確にすること」が42.4%で続きました。

このほか、「業務フローの設計」(30.9%)や「KPI設定」(27.2%)といった導入前の計画や設計に関わる項目も上位に挙がっており、現場側でも事前の課題整理や設計の重要性が認識されている様子が示されています。
【調査概要】
- 調査対象:企業・組織でAIや生成AIの導入・活用に関わっている方217名
- 調査方法:インターネットアンケート調査
- 実施期間:2026年10月7日~2026年10月13日
【株式会社Engineerforce 概要】
- 会社名:株式会社Engineerforce(エンジニアフォース)
- 代表者:代表取締役 飯田佳明
- 所在地:〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町23番17号 シティコート桜丘408
- 設立:2020年8月4日
- 資本金:1,000万円
- 事業内容:ソフトウェア開発、UI/UXデザイン、コンサルティング、プロダクト開発
- URL:https://engineerforce.io/
本記事は株式会社Engineerforceの発表をもとに作成されています。調査結果の全編は同社ウェブサイト(https://engineerforce.io/column/ai-situation-survey/)にて確認できます。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



