つばめBHBの技術を用いた商用規模実証プラントでアンモニア生産・供給開始
東京科学大学発のディープテック企業であるつばめBHB株式会社は、自社が導入した商用規模の実証プラントにおいて、アンモニアの生産と供給が開始されたことを発表しました。同プラントは株式会社INPEXが新潟県柏崎市で実施する実証試験の拠点に設置されており、つばめBHBのエレクトライド触媒技術が用いられています。同拠点では製造されたアンモニアが、2026年10月22日より株式会社INPEXから三菱ガス化学株式会社へ供給されています。
初の商用規模現場でのアンモニア製造と外部供給
今回の取り組みは、つばめBHBが導入したプラントで実際にアンモニアが製造され、外部の企業へ供給されるに至ったもので、同社の技術が商用規模の現場で活用される初めての事例となります。
このプラントは、株式会社INPEXによる「ブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験」の拠点に設置されたものです。発表にあたり、代表取締役CEOの中村公治氏は、納入した初のプラントが顧客の現場で生産・供給に用いられる段階に到達したことについて、大学の研究室で生まれた技術が現場で動き始めた大きな節目であると述べています。

低温・低圧合成を可能にするエレクトライド技術
約100年前にドイツで開発されたハーバー・ボッシュ法では、水素と窒素を400-500℃、10-30MPaの高温・高圧下の大規模設備で製造してきました。これに対し、東京科学大学(旧:東京工業大学)の細野秀雄栄誉教授が開発したエレクトライド触媒を基盤とする同社の技術は、低温300-400℃(約-100℃)、低圧3-5MPa(最大約1/10)の条件下で高効率なアンモニア合成を可能にしています。

この技術によりプラント設計および触媒交換の安全性を高め、設備の小型化を実現しています。工場の敷地内などに設置し、需要地の近くで生産する「オンサイト型」の分散生産に対応します。原料となる水・空気・電力を現地調達して生産することも可能で、使用する水素や電力の由来に応じてグリーンアンモニアおよびブルーアンモニアのいずれの製造も可能としています。
地産地消型の分散生産で食料・エネルギー課題の解決へ
アンモニアは窒素肥料の基盤であるほか、燃焼時にCO2を排出しない発電・船舶燃料などの次世代エネルギーキャリアとしても需要拡大が見込まれています。一方で、生産や輸出が一部の国・地域に偏っているため、2021年以降は供給の不安定化や肥料価格の高騰が起きており、原料を輸入に頼る日本においても安定供給の確保が課題となっています。
同社が提案するオンサイト型の地産地消(分散型生産)は、輸入や長距離輸送に依存しない供給体制を整えることで、供給途絶や国際価格の変動リスクを抑える狙いがあります。つばめBHBはこれまでに、今回の設備を含めて国内で2基のアンモニア合成プラントを受注しているほか、海外ではブラジルやインドで受注に向けた協議やMOUの締結を進めています。
つばめBHB株式会社は、2017年に味の素株式会社からのカーブアウトにより設立された企業です。2025年1月には、世界有望クリーンテック企業100社を選出するCleantech Groupの「2025 Global Cleantech 100」に日本企業として初めて選出されました(CNET Japan 世界の「クリーンテック」最新トレンド(2025年編)より引用)。また、2023年のCOP28(アラブ首長国連邦ドバイ)への出展や、2025年11月に開催されたCOP30(ブラジル・ベレン)の環境省主催「ジャパン・パビリオン」への出展実績を持ちます。
- 社名: つばめBHB株式会社
- 代表取締役CEO: 中村公治
- 本社: 神奈川県横浜市港北区新横浜2-3-12新横浜スクエアビル6階
- 設立年月: 2017年4月
- URL: https://tsubame-bhb.co.jp/
- 事業内容: オンサイトアンモニア供給システムに関連した研究開発、販売及び設備保全、アンモニア合成触媒に関する研究開発、製造及び販売、アンモニア及びアンモニア関連製品の製造及び販売
本記事はつばめBHB株式会社の発表をもとに作成されています。
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