京都民泊市民会議、京都市へ観光と暮らしの共生を実現する宿泊政策を提言
京都民泊市民会議は2026年10月20日、「京都にふさわしい観光と暮らしの共生を実現する宿泊政策への提言」を京都市および市議会各会派へ提出した。同会議は、規制強化の議論が進むなかで「規制か推進か」という二項対立を超え、「地域共生」という第三の視点から京都の宿泊政策を提案している。優良な事業者を評価する認証制度の創設などを通じ、観光と暮らしが共生する仕組みづくりを求めている。
二項対立を超えた地域共生を目指す背景
京都市では現在、「京都市にふさわしい民泊の在り方検討会議」において民泊に関する規制強化の議論が進められている。一方で、民泊は近隣トラブルの原因として語られることが多く、地域との共生や空き家活用、文化継承、防災協力といった役割については十分に議論されていない現状がある。
実際には、法令を遵守しながら地域との関係づくりに取り組み、空き家や住まいの維持、交流人口の創出、災害時の支援などに貢献している事業者も存在する。こうしたなか、宿泊事業者と市民との対話を通じて「京都に資する民泊のあり方」を考えるため、2026年に京都民泊市民会議が設立された。
認証制度創設など3つの提言内容
提言書では、京都における宿泊事業について、単なる宿泊サービスではなく地域住民、宿泊事業者、旅行者が共に地域の魅力や価値を高める「地域共生」を基本理念とすべきだと位置づけている。主な提案内容は以下の3点からなる。
- 地域共生型民泊認証制度の創設
法令遵守だけでなく、地域との対話や地域活動への参加、防災や防犯への協力などに取り組む優良な民泊事業者を評価する認証制度を創設する。
- 地域社会への貢献
良質な民泊は、防災・防犯、空き家対策、京町家等の文化資産の継承、景観保全、地域活性化などを通じて地域社会へ貢献する存在であるべきとしている。
- 自主的な改善と対話の推進
規制だけに依存するのではなく、事業者、地域住民、行政の対話と協働を通じて地域共生を実現する仕組みづくりを進める。
京都民泊市民会議の構成
京都民泊市民会議は、地域住民、宿泊事業者、研究者、実務者等が参加し、対話と提言を行う組織として発足した。特定非営利活動法人京都ホームシェアリングクラブ(KHSC)の呼びかけにより設立され、地域共生を基本理念として議論を重ねている。同法人は一般社団法人民泊観光協会(JAMTA)京都支部として活動し、地域共生型の民泊の普及や調査研究に取り組んでいる。
会議の構成メンバーは以下の通り。
- 座長:新川 達郎(同志社大学 名誉教授)
- 委員(順不同):
- 本多 智一(行政書士、京都府行政書士会 副会長)
- 内藤 郁子(特定非営利活動法人京都景観フォーラム 理事)
- 高橋 健太(粟田自治連合会 粟田まちづくり協議会 事務局長)
- 岡田 貴代子(東山区清水自治会連合会 副会長、清水四丁目町内会会長)
- 小林 和子(一般社団法人民泊観光協会 代表理事、特定非営利活動法人京都ホームシェアリングクラブ 理事)
- 小林 晴夫(特定非営利活動法人京都ホームシェアリングクラブ 理事長)
- 水野 啓(特定非営利活動法人京都ホームシェアリングクラブ 副理事)
- 平出 公一(特定非営利活動法人京都ホームシェアリングクラブ 副理事)
- 早田 和仙(特定非営利活動法人京都ホームシェアリングクラブ 副理事)

一般社団法人 民泊観光協会(JAMTA)の概要
- 法人名:一般社団法人 民泊観光協会(JAMTA)
- 代表理事:小林 和子
- 設立:2019年10月9日
- 所在地:〒604-8187 京都府京都市中京区御池通東洞院東入笹屋町436 永和御池ビル606号
- 事業内容:民泊・宿泊観光分野における調査研究、人材育成、地域共生推進、防災支援および関係機関との連携事業
本記事は京都民泊市民会議の発表をもとに作成。
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