Grafana Labs、AIエージェントによるシステム運用の自律化を支援する新機能群をObservabilityCON 2026で発表
Grafana LabsがAI運用を加速する新機能群を発表
CATEGORY: テクノロジー
オープンスタンダードに準拠し、AIエージェント型クラウドオブザーバビリティを提供するGrafana Labsは、米国時間の2026年10月20日に開催されたObservabilityCON 2026において、Grafana CloudのAI自律運用を加速する新機能群を発表しました。OpenTelemetryに対応したAgent ObservabilityやAssistant Watchersの一般提供を開始したほか、Grafana PagesおよびGrafana Managed Sandboxesのプレビュー提供を開始しています。企業が直面するAIエージェントを活用したシステム運用と、AIエージェント自体の動作把握という2つの課題に対応する取り組みです。
AIを活用した運用と監視における課題
Grafana LabsとFuturum社傘下のETRが共同発表した「2026 State of Observability Report(オブザーバビリティ現状調査報告書)」によると、調査対象となったITおよびエンジニアリングのリーダー300名のうち68%が、オブザーバビリティへのAI活用を検証段階から試験的・本番稼働段階へと移行させていることが明らかになりました。一方で、読み取り専用の調査をAIに任せることに抵抗がないと答えた割合は85%だったのに対し、完全自律型の問題修復では52%にとどまっています。
また、調査対象の約80%がLLMを活用した機能を構築・運用しているものの、45%はオープンソースを組み合わせてAIオブザーバビリティを実現しており、専用製品を導入しているのは25%にとどまります。Grafana Labsは、人間による監視や確認を残しつつアクションを実行できる環境と、運用中のAIエージェントを可視化する仕組みの双方を提供することで、これらの課題への対応を目指しています。
AIエージェント型オペレーションを拡張する新機能
Grafana Cloudに組み込まれたAIエージェント「Grafana Assistant」のワークフローを拡張するため、複数の機能が追加されました。
- Assistant Watchers(GA): 事前設定のアラートルールで捉えきれていない変化を把握する常時稼働型エージェントです。自然言語で指定された重要な要素に基づき通常時のパターンを学習し、パターンの変化を検知してデータとともにGrafana Alertingを通じて通知します。
- Grafana Managed Sandboxes(パブリックプレビュー): リポジトリのコードと稼働中システムのテレメトリをもとに修正案を作成できる管理されたクラウド環境です。コードの調査と修正案の作成を行い、人間がレビュー・承認できるプルリクエストを作成します。
- Grafana Pages(パブリックプレビュー): パネルの種類やレイアウトの制約に縛られず、Webアプリに近い画面を構築できる環境を提供します。既存のグラフやパネルを補完する設計です。
Grafana Labs AIシニアディレクターのMat Ryer氏は、「企業はAIエージェントにより多くの作業を任せたいと考えていますが、各ステップでの証拠とコントロールが必要です」とした上で、各機能が連携することで検知から診断、対応策の提案までを1つのワークフローに統合すると述べています。
なお、Grafana Labs委託によるIDCのホワイトペーパー「The Business Value of Grafana AI(2026年9月)」によると、Grafana CloudのAIツールを活用した顧客はMTTR(平均解決時間)を63%短縮し、オンコール当番中に状況把握のための情報を集める時間を46%削減した傾向が示されています(調査対象が4組織であるため、IDCはこれらの結果を傾向を示すものと位置づけています)。
本番環境のAIエージェントを可視化するAgent Observability
AIエージェントの動作やコストを把握するための機能として、「OpenTelemetryサポートを備えたAgent Observability」が一般提供(GA)されました。
AIエージェントが本番環境で稼働するワークロードとなる中、ツールの追加なしに動作の安定性やコストを把握するニーズに対応します。OpenTelemetryサポートの追加により、スタック全体と同じオープンスタンダードを用いてエージェントのアクティビティを可視化できるようになります。Grafana Labsの2026 Observability Surveyによると、76%の組織が調査、概念実証(PoC)、あるいは本番利用のいずれかの段階でOpenTelemetryを活用しているとしています。
会社概要
Grafana Labsの概要は以下の通りです。
- 事業内容: フルマネージド型オブザーバビリティプラットフォーム「Grafana Cloud」の提供
- 導入実績: 1万社を超える組織(Anthropic、Bloomberg、NVIDIA、Microsoft、Salesforceなど)
- 組織形態: 40カ国以上にチームメンバーを擁するフルリモート企業
- 主要投資家: Lightspeed Venture Partners、Sequoia Capital、GIC、Coatue、J.P. Morgan、CapitalG、Lead Edge Capital
- URL: grafana.com/ja
本記事はGrafana Labsの発表をもとに作成されています。
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