テラデータ、オンプレミスや完全隔離環境向けにソブリンAIを拡張
Teradata、主権型AI向けに新たな展開モデルと機能拡張を発表
CATEGORY: テクノロジー
米Teradataは、政府機関やエンタープライズ企業向けに、データやAI、インフラに対する主権と統制力を強化する新たな展開モデルおよびプラットフォーム機能を発表しました。これには自社運用型アプライアンス「Teradata Factory」における「AI Studio」の機能拡張や、外部と遮断された環境で稼働する「Teradata Sovereign Cloud」の提供が含まれます。
Google Distributed Cloudエアギャップ環境向けTeradata Sovereign Cloudはプライベートプレビューとして提供を開始しており、Teradata Factory with AI Studio向けの拡張ソブリン機能は2027年第1四半期に提供開始予定です。
主権要件に対応する2つの展開モデル
発表されたソブリンポートフォリオは、組織の主権要件に応じた相互補完的な2つの展開モデルで構成されています。
1つ目の「Teradata Factory with AI Studio」は、データ、ベクトル、モデル、AIエージェントを顧客自身が管理するオンプレミスインフラ上で直接運用できる統合AI環境を提供します。「Tera Harness」および「Tera Context Engine」を包含する自律型協働AI「Tera」や、AIエージェント開発環境「AgentStack」、モデルサービス(Model Services)、マルチモーダル非構造化データの取り込みやRAG向けハイブリッド検索に対応するデータパイプライン、RayおよびArrow上に構築された「Elastic Python Compute」によるアナリティクス環境などを備えます。
2つ目の「Google Distributed Cloud」エアギャップ環境向け「Teradata Sovereign Cloud」は、外部ネットワーク接続を持たない完全隔離された環境下で、大規模なエンタープライズ分析を実行可能にするモデルです。機密データや規制対象データを内部へ留保し、完全な監査証跡とガバナンスを維持しながら、数十億行のレコードやペタバイト規模のデータに対してクエリやAI処理を実行します。
3つの次元で定義されるソブリン性
AIが中核業務に浸透するなかで主権確保の重要性が高まっています。BARCが企業のビジネスおよびIT意思決定者320人を対象に実施した2026年のグローバル調査では、組織の62%が「中核業務プロセスへのデータとAIの組み込み」が主権要件を推進する主要な要因であると回答しました。また、IBMの別の調査では経営層の91%が「自組織がどのAIベンダー、モデル、インフラに依存しているかを完全に把握できていない」と回答し、Gartnerは2030年までに米国外の企業の75%以上がソブリンクラウド戦略に裏打ちされたデジタル主権戦略を策定すると予測しています。
こうした背景を踏まえ、Teradataは主権(ソブリンティ)を以下の3次元で定義しています。
- データ主権(Data Sovereignty):データがどこに存在し、誰がアクセスできるか
- 運用主権(Operational Sovereignty):誰が環境を管理し、外部ネットワークから独立して自律運用できるか
- デジタル主権(Digital Sovereignty):組織がどの技術やAIモデルに依存しているか
ハードウェアとソフトウェアが一体となった専用ラック構成のTeradata Factoryは、物理的な直接管理を必要とする組織向けに設計されています。一方、Google Distributed Cloud air-gapped上のTeradata Sovereign Cloudは、パブリックインターネット接続を持たず顧客自身によって運用され、業務レポーティングや任務分析、防衛ロジスティクスなどのユースケースを主権境界内で完結させます。
これらとパブリッククラウドを組み合わせることで、パブリッククラウド、ソブリンクラウド、オンプレミスにまたがるハイブリッドな主権展開が可能となり、組織は「Teradata Fabric」を通じてデータを物理移動させることなく連携を行えます。
Teradataのチーフ・プロダクト・オフィサーであるSumeet Arora氏は、主権とは単一の場所を指すのではなくパブリッククラウド、ソブリンクラウド、オンプレミスにまたがるアーキテクチャそのものであると述べています。また、Google Distributed Cloud バイスプレジデント・オブ・プロダクトマネジメントのMuninder Singh Sambi氏は、Google Distributed CloudのソブリンインフラとTeradataの機能を組み合わせることで、規制業界の顧客が自社データへの統制を妥協せずにイノベーションを推進できるとコメントしています。
本記事はTeradataの発表をもとに作成されています。
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