府中プラと中研股份、PEEK樹脂の拡販で連携 PFAS代替を開拓へ
広島県府中市の射出成形メーカーである府中プラ株式会社(代表取締役:関 真一)は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂メーカーの中研股份(ブランド名「ZYPEEK」)と、PEEK樹脂の拡販および用途開発に関する業務連携を開始した。中研股份の材料開発力や供給体制と、府中プラ株式会社が培ってきた射出成形の量産技術を組み合わせ、PEEK樹脂の新たな用途開拓を目指す。特にPFAS規制への対応を背景としたフッ素樹脂からの材料置き換えを重点領域と位置づけ、材料選定から成形性検討、量産までを一貫して支援する体制を整える。
PFAS規制を背景とした代替需要と課題
近年、欧州を中心にPFAS(有機フッ素化合物)に対する規制強化の議論が進んでおり、フッ素樹脂を使用してきた部品について代替材料の検討を始める企業が増加している。
PEEK樹脂は、耐熱性、耐薬品性、機械強度、自己潤滑性を併せ持つスーパーエンジニアリングプラスチックであり、フッ素樹脂の代替候補として有力な材料とされている。一方で、実際の置き換えには要求特性に適合するグレードの選定や材料の安定調達に加え、射出成形を前提とした形状や金型設計の見直しが必要となり、検討が進まないケースも少なくない。また、従来フッ素樹脂で切削加工されてきた部品は、PEEK樹脂への置き換えによって射出成形での量産が可能となる場合があり、コストとリードタイムの両面で改善の余地がある。
材料選定から量産までを並行して支援
今回の連携において、中研股份は材料グレードの提案、特性データの提供、用途に応じたカスタムグレードの開発を担う。府中プラ株式会社は、射出成形を前提とした部品形状や金型設計の検討、試作および量産を担当する。
府中プラ株式会社は、PEEK樹脂をはじめとするスーパーエンジニアリングプラスチックの成形実績を有し、高温成形に対応した設備と寸法精度が要求される部品の量産ノウハウを蓄積している。樹脂メーカーと成形メーカーが初期段階から連携することにより、材料選定と成形性検討を並行して進め、置き換え検討のリードタイム短縮を図る。
PFAS代替として想定する用途と注意点
フッ素樹脂からPEEK樹脂への置き換えにあたり、以下の領域を中心に用途開発を進める。
- 半導体製造装置関連部品:ウェハキャリア、搬送治具、各種治具など、耐熱性・寸法安定性・クリーン性が求められる構造部品
- 流体制御機器部品:ポンプ・バルブのボディ、インペラ、シートリング、バックアップリングなど、耐薬品性と剛性の両立が求められる部品
- 摺動部品:軸受、ブッシュ、スラストワッシャ、シールリングなど、無潤滑条件下での摺動特性が求められる部品
- 食品・医薬製造設備部品:ポンプ・バルブの接液構造部品など、高温洗浄・滅菌に耐える衛生性が求められる部品
なお、Oリングやガスケットなどの弾性シール、高温強酸に接する配管系部品など、フッ素樹脂固有の特性が要求される用途については、PEEK樹脂による代替が適さない場合があるとしている。同社では要求特性を確認したうえで、代替可否の判断を含めて相談に対応している。
両社の概要
中研股份は、PEEK樹脂の研究開発・製造・販売を一貫して手掛ける専業メーカーである。2006年の創業以来20年にわたりPEEK樹脂の研究開発に取り組み、2023年9月には上海証券取引所科創板(SSE STAR Market)へ上場した(証券コード:688716)。年産1,000トン以上のPEEK樹脂生産能力を有し、PEEK樹脂に関する中国初の国家標準策定において主幹起草企業として参画した。ISO 9001、ISO 13485、IATF 16949、FDA、REACHなどの認証・適合を取得しており、現在は年産10,000トン級の新生産拠点を建設中である。
府中プラ株式会社
- 所在地:広島県府中市
- 代表取締役:関 真一
- 事業内容:射出成形部品の製造、材料選定支援、金型製作
- コーポレートサイトURL:https://www.fuchu-pla.com/
- 専門情報サイト「射出成形の駆け込み寺.com」URL:https://injection-fuchu.com/
中研股份(ZYPEEK)
- 所在地:中国・吉林省長春市(本社)/上海(研究開発・営業拠点)
- 証券コード:688716
- ブランド名:ZYPEEK
- 事業内容:PEEK樹脂の研究開発、製造、販売
- URL:www.zhongyanpeek.com
本記事は府中プラ株式会社の発表をもとに作成されています。
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