三菱UFJ信託銀行がガバナンス調査結果を発表 PBR向上は成長投資へシフトの兆し
三菱UFJ信託銀行株式会社は、上場企業を対象としたコーポレートガバナンスに関するアンケート調査「ガバナンスリサーチ®2026」を実施し、その結果を取りまとめました。調査では、ガバナンス体制の整備や実務の高度化が進む一方で、事業ポートフォリオや人的資本、資本コスト経営などの審議充実に課題があることが示されています。また、企業価値やPBR(株価純資産倍率)の向上に向けた重点が、従来の株主還元から成長投資へ移りつつある傾向も明らかになりました。
取締役会は監督機能の重視と実務の高度化が進展
調査結果によると、取締役会機能の軸足は意思決定から監督へと移行しており、議論や行動の基盤となる取締役会カルチャーを明文化する動きが進んでいます。
また、取締役会事務局の専任組織や担当者の設置が進むなど取締役会実務の高度化が進展している一方、取締役会やCEOのサクセッション(後継者計画)についてはなお発展途上にある状況が示されました。


経営戦略や重要経営課題の審議は定着しているものの、中長期の企業価値に直結する事業ポートフォリオ、人的資本、資本コスト経営については、取締役会での審議をさらに充実させる余地が確認されました。今後は重要経営課題の審議を深め、成長投資や経営戦略へ実装につなげることが焦点になるとみられます。




PBR向上に向けた取り組みとしては、これまでは株主還元が最多であったものの、今後の重点事項は事業投資へシフトする見込みとなっています。


ESGの組み込みと対話結果の活用における課題


サステナビリティ方針の策定など、ESGを経営に組み込む動きが進んでいることも分かりました。その一方で、報酬への反映や、投資家等との対話結果を経営に活用していく取り組みが次の課題として挙げられています。
調査の概要
今回の調査は、上場企業および国内外の機関投資家を対象に実施されました。
- 企業調査実施期間:2026年7月6日(月)~8月7日(金)
- 企業調査参加企業数:1,116社(うちプライム上場638社)
- 機関投資家調査実施期間:2026年8月3日(月)~10月1日(木)
- 機関投資家調査参加投資家数:22社(国内11社、海外11社、海外機関投資家調査協力:日本シェアホルダーサービス株式会社)
- 監修:倉橋法律事務所 パートナー・弁護士 倉橋 雄作(ガバナンス領域、経営戦略・事業戦略領域)、明治大学教授 三和 裕美子(ESG領域、SR・IR領域)
なお、企業調査の回答の一部は、明治大学三和教授・浅井教授、成城大学山田教授、日本大学邰助教との共同研究「機関投資家活動が企業価値に与える影響」に利用されます。
本記事は三菱UFJ信託銀行株式会社の発表をもとに作成しました。
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