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岡田暁生の著書『指揮者の歴史』が新潮選書から発売

音楽学者の岡田暁生氏による新刊『指揮者の歴史』が、新潮選書から刊行された。クラシック音楽において個別の評伝や録音評論などは数多く存在する一方、指揮者そのものの歴史を扱った文献はほぼ存在しなかったという。本書は、指揮者の誕生と変遷というテーマに挑んだ通史となっている。

近代社会と権力の文脈から描く指揮者の通史

本書は、指揮者がいつ誕生し、どのような経緯を辿って現代の姿に至ったのかを紐解く一冊である。合理化や民主主義が進む時代において、独裁的とも評されるカリスマが登場した背景に迫り、「近代社会と権力」の文脈から巨匠たちの系譜を一望している。

目次では、第1章のスポンティーニから始まり、ベルリオーズ、ワーグナーやビューロー、ニキシュ、マーラー、シュトラウス、トスカニーニ、フルトヴェングラー、カラヤン、アバドらを取り上げている。さらに古楽の動向や現代の指揮者に至るまで、全12章を通じて時代ごとに変化してきた権力の特質を描写する。

著者が語る「通史」執筆の難しさと背景

著者の岡田氏は「おわりに」の中で、これまでの指揮者論の多くが英雄列伝や名盤カタログ的な内容にとどまっていたと指摘し、自身が試みた通史の難しさについて説明している。

執筆にあたっては、美的価値の好みと歴史的重要性を区別し、「その時代最高の指揮者」ではなく「時代を端的に代表していた」指揮者を扱ったとしている。また、時代によって文献頼み、録音頼み、自身の実際の経験に基づく時代と情報源が異なる点や、指揮者の演奏が再検証困難な「究極の生もの」であることなど、これまで歴史が書かれてこなかった要因を挙げながら、それらを踏まえて執筆にあたった心情を明かしている。

著者プロフィール

著者の岡田暁生氏は1960年、京都市生まれの音楽学者である。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学を経て、現在は京都大学名誉教授、同志社大学客員教授を務める。『オペラの運命』でサントリー学芸賞、『ピアニストになりたい!』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、『音楽の聴き方』で吉田秀和賞、『音楽の危機』で小林秀雄賞を受賞した。著書に『オペラの終焉』、『西洋音楽史』、『モーツァルトのオペラ 「愛」の発見』などがあり、片山杜秀氏との共著に『ごまかさないクラシック音楽』がある。

書籍概要

  • タイトル:指揮者の歴史
  • 著者名:岡田暁生
  • 発売日:2026年10月21日(水)
  • 造本:新潮選書(四六判変型ソフトカバー)
  • 本体定価:2,200円(税込)
  • ISBN:978-4-10-603954-6
  • URL:https://www.shinchosha.co.jp/book/603954/

本記事は株式会社新潮社の発表をもとに作成。

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