火星衛星探査計画MMXがH3ロケット10号機で打ち上げ JAMSSも参画
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が推進する火星衛星探査計画(MMX:Martian Moons eXploration)の探査機が、2026年10月20日(火)04時41分03秒、種子島宇宙センターからH3ロケット10号機により打ち上げられた。東京都千代田区に本社を置き、代表取締役社長を有賀 輝が務める有人宇宙システム株式会社(JAMSS)が同計画に参画している。MMXは国際協力ミッションで、世界初となる火星圏(火星衛星フォボス)からのサンプルリターンを目指している。
探査機運用の中核業務を担当
JAMSSは2019年度からプロジェクトに参画し、ミッションの運用設計、管制官訓練、コマンド立案など、探査機運用の中核業務を担当している。また、計画管理や打上げに向けた射場での作業にも携わってきた。
打上げ後は、地上局との調整や運用・観測計画の作成を通じ、火星圏への航行から観測、サンプル採取へと続く長期ミッションに取り組むとしている。
JAMSSが担う3つの主な役割
同社は計画において、主に以下の3つの役割を担っている。
- プロジェクトマネジメント:作業内容を細分化して各作業の担当組織と役割・責任を明確にし、課題や変更が生じた際はスコープ、期間、コスト、リスク、品質への影響を評価して定例会で審査・承認を行い、承認内容を文書に反映する。
- 探査機の開発と並行した運用準備:火星圏における多様な観測機器の同時観測成立性や異常時対応の検討、運用体制や手順・文書の整備、観測・コマンド計画の検討、管制官の訓練・リハーサルなどを実施してきた。打上げ後も訓練やリハーサルを継続するとともに、地上局との調整やデータ伝送状況、不具合の管理などに取り組む。
- 射場での打上げに向けた準備作業:種子島宇宙センターにおいて、射場での作業計画の策定や探査機とロケットおよび射場設備とのインタフェース調整などを支援した。
観測とサンプル採取を目指すMMX
MMXは、火星の衛星フォボスとダイモスを観測し、フォボス表面の試料を採取して地球へ帰還することを目指す探査計画である。
探査機には、科学目標の達成に用いる11種類の科学ミッション機器と、探査技術獲得のための2種類の装置が搭載されている。
今後の展望と月面探査への展開
JAMSSは打上げ後も引き続き、探査機の火星圏への航行、フォボスでの観測・サンプル採取、火星やダイモスの観測、地球帰還までの探査機運用を担い、MMXミッションの成功に貢献していく構えだ。さらに、MMXで得られる探査機運用の経験や知見を活用し、将来の有人月面探査を含む探査ミッションへ展開していくとしている。
同社は「ひとと宇宙のこれからをデザインする」をミッションに掲げ、これまで国際宇宙ステーション 日本実験棟「きぼう」において、システムの監視・制御、宇宙実験のサポート、宇宙飛行士の訓練、搭載機器の安全評価などを手がけてきた。
本記事は有人宇宙システム株式会社の発表をもとに作成。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



