TFHがZoomのプログラムに参加 World ID for Zoom提供へ
Tools for Humanity Corporation(TFH)は2026年10月19日、「Zoom ISV Exchange Program」に参加したことを発表した。これにより、Zoom App Marketplaceで提供開始された「World ID for Zoom」を、会議参加者がディープフェイクではないことや意図した本人であることを確認したい数十万社のZoomビジネス顧客が利用できるようになる。Zoomの顧客は同プログラムを通じてWorld ID for Zoomを購入できるほか、Proof of Human認証に用いるハードウェア「Orb」の自社オフィス設置を依頼することも可能となる。
Zoom上でディープフェイク対策と本人確認を可能に
AIの高度化に伴いオンラインでのやり取りが増加するなか、相手がなりすましではなく実在する本人であることを確認する手段が求められている。Deloitte Center for Financial Servicesの公表情報によると、米国におけるAIを悪用した詐欺被害額は2023年の123億ドルから2027年には400億ドルに拡大する可能性があると推計されている(※1)。
Zoomが厳選した独立系ソフトウェアベンダー(ISV)のソリューションを顧客へ直接提供する「Zoom ISV Exchange Program」を通じ、企業はAIセーフなディープフェイク対策技術を利用しやすくなる。TFHのWorld ID責任者兼最高収益責任者(CRO)であるアジェイ・パテルは、Proof of Humanがオンラインのやり取りにおいて不可欠な信頼のインフラ層になりつつあると言及している。
また、Zoom チーフ・エコシステム・オフィサーのBrendan Ittelson(ブレンダン・イッテルソン)は、「World ID for Zoom」を提供することで、組織が会議の参加者が実在する人間であることを確認し、重要な対話を安心して行うための手段を広げていくとしている。
3点照合によるヒューマンバッジの仕組み
エンタープライズのユースケース向けに設計された「World ID for Zoom」の連携機能は、WorldのProof of HumanテクノロジーとZoomのRealtime Media Streams(RTMS)を活用している。顔認証を用いた数ステップで自身がディープフェイクではないことを証明する仕組みで、検知からリアルタイムでの存在証明への転換を図る。
この連携機能では、参加者が最初に人間認証デバイス「Orb」で認証した際に撮影された暗号学的に署名済みの顔画像、参加者の端末で撮影されるリアルタイムのライブネス自撮り(セルフィー)、他の参加者のZoomの画面に映るライブ映像のフレームの3点を照合する。これら3つすべてが一致すると、通話中の人物が実在する検証済みの人間かつ本人であることが確認され、参加者のビデオタイルに「ヒューマンバッジ」が表示される。
企業向けインフラとしての連携拡大
今回の発表は、消費者向け、エンタープライズ向け、エージェント向けのプラットフォームにわたるWorld IDの役割拡大を示すものとなる。TFHは4月、Zoom、Docusign、Okta、Vercel、Tinderとの新たなパートナーシップと連携、およびAIエージェント向けの新ツールを発表していた。
AWS上で稼働する「World ID for Zoom」の連携機能は「Lift Off」でプレビュー公開され、グローバル資産運用会社VanEck Fundsが限定ベータプログラムへの参加を表明している。
関連組織の概要
- Tools for Humanity(TFH):AI時代に人間のためのテクノロジーを構築することを目的に設立されたグローバルテクノロジー企業。サム・アルトマン(Sam Altman)とアレックス・ブラニア(Alex Blania)によって創業され、World Network(ワールドネットワーク)の初期開発を主導した。現在はWorld MoneyアプリおよびWorld IDアプリを運営している。本社は米国カリフォルニア州サンフランシスコとドイツ・ミュンヘンにある。詳細はhttps://www.toolsforhumanity.com/ja-jp
- World:実在する人間による世界最大のネットワークとなることを目指すプロジェクト。70億人規模でも一人ひとりが唯一の人間であることとプライバシーの両立を図るソリューションを構築している。サム・アルトマン(Sam Altman)、マックス・ノベンスターン(Max Novendstern)、アレックス・ブラニア(Alex Blania)によって構想された。公式サイトはhttps://world.org/ja-jp 、World Japan公式Xはhttps://x.com/worldnetworkjp
※1:Deloitte Center for Financial Services「Generative AI is expected to magnify the risk of deepfakes and other fraud in banking」(2024年5月29日)
本記事はTools for Humanity Corporationの発表をもとに作成。
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