アジアクエストと前田建設、削孔データから一軸圧縮強度を推定する手法を発表
アジアクエスト株式会社は2026年9月4日、公益社団法人土木学会が主催する「令和8年度土木学会全国大会 第81回年次学術講演会」に登壇しました。前田建設工業株式会社との共同研究として、トンネル切羽のコアボーリングで記録される削孔データから一軸圧縮強度(UCS)を推定する手法と、その検証結果を報告しました。現場で既に取得されているデータを活用し、追加の試験を行うことなく定量的な岩盤強度評価を行うことを目指した取り組みです。
削孔データを活用した一軸圧縮強度の推定手法
山岳トンネルの施工現場では、切羽前方のコアボーリングにおいて、貫入速度・フィード圧・回転数・回転圧といった削孔データが施工の中で自動的に記録されています。しかし、そこから求まる削孔エネルギーは機械の設定や運転条件に依存する指標であるため、そのままでは岩石固有の性質を表さず、工学的な活用の範囲は限られていました。
一方で、岩盤分類・支保設計・発破設計に共通して用いられる最も基本的なパラメータが一軸圧縮強度(UCS)です。UCSの把握には通常、追加のコア採取や試験が必要となり、現場のコストと時間の負担になっていました。そこでアジアクエスト株式会社と前田建設工業株式会社は、現場で既に取得されている削孔データから削孔比エネルギーを算出し、UCSへ変換する一連の手法を構築しました。これにより、追加の試験を行わずに切羽ごと・削孔ごとの定量的な岩盤強度評価が可能となります。
互層トンネル現場での検証結果
検証は、砂岩と泥岩が繰り返す互層のトンネル現場を対象に、同一切羽から採取したコア供試体の点載荷試験による実測値と比較する形で行われました。
推定したUCSの分布は砂岩・泥岩の互層構造を反映して二峰性を示しました。砂岩では実測162MPaに対して推定168MPaと差は約4%にとどまり、泥岩についても実測値の平均が推定値のレンジに収まるなど、オーダーの異なる岩種間の強度差を削孔データのみから再現できることが確認されました。講演では、現場に蓄積されたデータを起点とする岩盤評価の高度化や、その延長線上にある発破設計・支保設計の自動化といった展開についても言及されました。

発表および大会の概要

発表が行われた年次学術講演会の概要は以下の通りです。
- 大会名:令和8年度土木学会全国大会 第81回年次学術講演会
- テーマ:インフラを市民の手に~共創が拓くインフラの未来~(土木学会北海道支部担当)
- 主催:公益社団法人 土木学会
- 日時:2026年8月31日(月)~9月4日(金)(年次学術講演会:9月2日(水)~9月4日(金))
- 会場:北海学園大学 豊平キャンパス・北海商科大学(北海道札幌市豊平区)
- 規模:7部門・共通セッションで計約5,600件の講演
- 発表部門:第Ⅲ部門(地盤工学・岩盤力学)
- 発表題目:トンネル切羽コアボーリングの削孔データを用いた一軸圧縮強度の推定 (Data-Driven UCS Estimation Using Drilling Specific Energy from Tunnel-Site Coring Drilling Data)
- 共同研究:前田建設

アジアクエスト株式会社は、東京都文京区後楽2丁目6−1 住友不動産飯田橋ファーストタワー 27Fに本社を置く企業です(東京証券取引所 グロース市場:証券コード 4261、代表取締役会長CEO:桃井 純)。AI技術を核としたAIX(AIトランスフォーメーション:AIによる業務変革)およびDXの実現を支援しています。今後も建設業界や製造業界向けに現場蓄積データを活用したDX支援を強化していく方針を示しています。
本記事はアジアクエスト株式会社の発表をもとに作成されています。
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