岡野バルブ製造、JR九州の標識柱点検でサーモグラフィー活用の実証を実施
岡野バルブ製造株式会社は、九州旅客鉄道株式会社(JR九州)が保有する標識柱の点検において、サーモグラフィーカメラを活用した概念実証(PoC)を実施した。

発電プラントの環境下で培ってきた非破壊検査の知見を鉄道インフラに応用する取り組みで、作業員の経験と勘に依存していた点検作業の省力化を見込む。今後は評価基準の策定などを進め、社会インフラの老朽化対策への展開と実用化を目指すとしている。
鉄道インフラ点検の効率化に向けた背景
JR九州は九州全域に約2,300kmの営業キロによる鉄道網を展開しているが、安全運行の維持に向けた設備の維持管理には多くの人員とコストを要している。線路上や駅構内の標識柱の点検は列車運行終了後の限られた時間に行う必要があり、作業者の経験や知見に依存する場面も少なくないことから、効率的で客観性の高い点検手法の確立が課題となっていた。

これに対し、1926年の創業以来発電用バルブの製造やメンテナンスを手がけてきた岡野バルブ製造が、設備の保全や非破壊検査の知見を生かしてJR九州へ提案を行い、実証が実現した。
JR南福岡駅構内で表面温度を検証

実証はJR南福岡駅(福岡市博多区)構内で行われ、インフラやプラントの非破壊検査を手がける計測検査株式会社と共同で実施された。各社の役割は、岡野バルブ製造がPoCの企画・提案および検証方法の策定、JR九州が課題や実証場所の提示、計測検査がサーモグラフィーカメラでの撮影を担当した。
検証は、減肉などにより柱の健全性が変化した場合に表面温度の違いとして現れる可能性があるという仮説に基づき、日照条件や周辺環境の影響を考慮してデータを取得した。その結果、直ちに交換が必要と判断される標識柱は確認されなかったものの、一部で温度分布と設備状態との関連性が示唆される傾向が確認された。
定量的な判定基準の構築と標準化を目指す
今後は、減肉量が既知であるサンプルを用いた検証を予定しており、サーモグラフィによる温度分布との相関を詳細に確認する方針である。
取得したデータの蓄積と分析を通じて設備状態を定量的に評価する判定基準を構築し、将来的には健全性に応じて点検や補修の優先順位を判断できるトリアージ手法の確立を目指すとしている。
関連企業概要
岡野バルブ製造株式会社
- 代表取締役社長:岡野武治
- 本社所在地:福岡県北九州市門司区中町1-14
- 創業:1926年11月3日
- 事業内容:発電用高温高圧バルブの開発・製造・保守その他工業製品の受託生産、工業プラントにおける各種工事、研究開発の受託、DXの実施・支援、産業振興、地域振興の実施・支援
九州旅客鉄道株式会社
- 代表取締役社長:古宮洋二
- 本社所在地:福岡県福岡市博多区博多駅前3-25-21
- 設立:1987年4月1日
- 主な事業内容:旅客鉄道事業、旅客自動車運送事業、旅行業、駐車場業
計測検査株式会社
- 代表取締役社長:坂本 敏弘
- 本社所在地:福岡県北九州市八幡西区陣原1-8-3
- 設立:1974年11月1日
- 事業内容:各種インフラ構造物やプラントなどの非破壊検査
本記事は岡野バルブ製造株式会社の発表をもとに作成。
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