ランサムウェア被害が過去最多の今、インターネットから切り離した環境でもAIでインシデント対応を。SIGQ、閉域で完結する「Incident Lake Self-Hosted」の提供を開始
SIGQが完全閉域対応のAIツールIncident Lake Self-Hosted提供開始
CATEGORY: テクノロジー
株式会社SIGQは、インシデント対応のAI PM「Incident Lake」のパッケージ版となる「Incident Lake Self-Hosted」の提供を開始しました。本製品はDockerコンテナとして提供され、クラウド環境(VPC)やデータセンター、オンプレミスの閉域ネットワーク内で動作します。自社開発のAIモデル「Otter」も同じ環境内で稼働するため、外部のPublic LLM APIにデータを送信することなく、検知から初動、調査、復旧、報告書作成やポストモーテムまでをAIの支援を受けて完結できます。
開発の背景と閉域環境でのAI利用における課題
警察庁が2026年9月10日に公表した「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、2026年上半期のランサムウェア被害報告は123件となり、統計を開始した2020年下半期以降で半期として過去最多を記録しました。同資料に基づく報道では、復旧費用が1,000万円以上となった組織が約6割、1か月未満で復旧できた組織は5割弱にとどまるとされています。
インシデントの記録には侵害の経緯や脆弱性、顧客や患者の情報といった機密情報が含まれるため、金融、製造のOT環境、自治体、医療、重要インフラなどの現場では外部SaaSや外部LLMへのデータ送信が制限される場合があります。「Incident Lake Self-Hosted」は、攻撃への迅速な対応と閉域環境でのセキュリティ要件を両立させるために開発されました。
製品の特長と安全設計
本製品は、ログや監視、SIEM基盤と同一環境内にデプロイすることで、外部への通信を行わずにインシデント対応業務を行えます。
- インターネット非経由での運用:すべてのコンポーネントが利用者の環境内で動作し、AI推論にも外部Public LLM APIを使用しないため、データが環境外に流出しません。
- 監視・SIEM連携による一気通貫の対応:ClickStackやGrafana、Wazuhのほか、既存のZabbixなどと連携し、検知から報告書作成までを同一の流れで完結します。
- 既存環境へのデプロイ:Dockerコンテナ形式で提供され、所定のマシンリソースを確保することで既存環境への導入が可能です。
- 人による判断を前提とした設計:最終判断は必ず人が行い、外部ツールへのアクセスは読み取り専用に限定されるほか、AIの支援は任意で停止できます。
自社開発AIモデル「Otter」の機能
閉域環境での運用を担うのが、SIGQが自社開発する特化型AIモデル「Otter」です。汎用性ではなく、インシデント対応、影響範囲の推定、タイムライン再構成、ナレッジ化に特化して学習が行われています。利用者の環境内で推論が完結するほか、顧客ごとのパラメータを追加学習させて分離した専用モデルとして運用することも可能です。また、データモデリングとRAGの設計により、ごく一部の処理を除き、外部モデルの性能や価格改定に左右されない構造となっています。
想定ユースケースと導入方法
本製品は、顧客情報や取引データを扱いクラウド利用規制がある「金融・保険」、工場やOT環境を持つ「製造」、外部接続が制限される「公共・自治体」、院内環境外への情報持ち出しを防ぐ「医療」、そして「通信・エネルギーなど重要インフラ」での利用が想定されています。
導入方法はSIGQによる直販とパートナー経由の2通りがあり、あわせて提案やデプロイ、運用を担うパートナー企業(SIer、MSP、セキュリティベンダーなど)の募集も行われています。
株式会社SIGQの代表取締役を務める金築 敬晃は、サイバー攻撃への対応において立ち直りの迅速さが求められる一方、機密データを扱う組織ほど外部AIを使えない状況があったとし、本製品と自社モデルによって「つながない」ことと「AIを使う」ことを両立させ、組織のレジリエンス向上に寄与したい旨を述べています。
会社概要
- 会社名:株式会社SIGQ
- 所在地:茨城県つくば市吾妻2-5-1 つくば市産業振興センター203号室
- 代表者:金築 敬晃
- 事業内容:インシデント対応のAI PM「Incident Lake」の開発・提供、インシデント対応支援
- 認証:ISO/IEC 27001 認証取得
- URL:https://company.sigq.io
- 製品ページ:https://incidentlake.com/self-hosted
本記事は株式会社SIGQの発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



![ビザスクが第29回 ものづくり ワールド [大阪]に出展へ](https://news.dellows.jp/wp-content/uploads/2026/10/598011_1-300x43.jpg)