BioPhenolics、マレーシアでの低炭素化学品調査が経産省補助金に採択
茨城県つくば市に本社を置くBioPhenolics株式会社は、2026年7月24日、マレーシア/パームバイオマス残渣を活用した低炭素化学品製造の分散型生産モデル調査事業が、経済産業省の令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)に採択されたことを明らかにした。
この事業は、マレーシアにおけるパーム由来の未利用資源を活用した低炭素バイオ化学品製造モデルのフィージビリティスタディ(FS)を通じて、海外製造拠点の技術面および事業面の成立条件を検証することを目的としている。同社は採択を受け、現地での事業実施に向けた準備や、原料としての活用可能性、将来的な製造拠点の立地・設備・コスト等の検証を開始している。
採択事業の検証内容
採択された事業では、マレーシア国内で発生するパーム由来バイオマス残渣を活用したバイオ化学品製造モデルについて、商業化を見据えたフィージビリティスタディ(FS)が実施される。検証は主に原料の成立性と製造拠点の成立性という2つの観点から進められる。
原料の成立性に関しては、現地のパーム企業やマレーシアの研究機関と連携し、パーム由来バイオマス残渣のサンプルを用いた評価を行う。原料の発生量や安定供給性、物流条件の調査に加え、原料特性や前処理・発酵適性を評価し、バイオ化学品の原料としての活用可能性を検証する。
製造拠点の成立性に関しては、将来的な商業プラント建設を見据え、製造プロセス、プラント構成、設備配置、ユーティリティ、立地条件、関連法規制などを総合的に検討する。さらに設備投資・製造コスト、市場性や事業リスクも評価し、海外製造拠点として成立するための技術的・事業的条件を明確化する方針だ。これらの検証結果を統合し、小規模実証への移行可否の判断や事業モデルの具体化を図る。
背景にある未利用資源とバイオ技術の結合
世界的な脱炭素化やサプライチェーン再構築の動きに伴い、化学産業では持続可能な原料への転換と製造拠点の多様化が進んでいる。東南アジアのパームオイル産業からは大量のバイオマス残渣が発生しているものの、その多くは高付加価値利用が十分に進んでいない状況にある。
筑波大学発スタートアップであるBioPhenolics株式会社は、植物由来糖を原料とする独自のバイオ発酵技術を活用し、未利用資源を高付加価値なバイオ化学品へ転換する技術開発に取り組んでいる。本事業を通じて、東南アジアの未利用資源と日本のバイオ技術を組み合わせ、資源循環と低炭素化を両立する新たな化学品製造モデルの構築を目指すとしている。
今後の展望
BioPhenolics株式会社は、中長期的に東南アジアを中心とした海外製造拠点の構築を目指している。
バイオ化学品の社会実装には環境価値に加え、石油化学品と競争可能な製造コストの実現が不可欠となる。そのため、発酵技術の高度化とともに、豊富かつ安価な未利用資源の活用が重要視されている。同社は本事業の成果をもとに、小規模実証を経て海外製造拠点の構築を進め、東南アジアを起点とした持続可能なバイオ化学品サプライチェーンの実現を目指してまいりますとしている。
会社概要
採択を受けたBioPhenolics株式会社の概要は以下の通り。
- 会社名:BioPhenolics株式会社
- 所在地:茨城県つくば市東光台5-5-5
- 代表者:貫井 憲之
- 事業内容:バイオものづくり技術を活用した芳香族化合物の研究開発・製造
- URL:https://www.bio-phenolics.com/
本記事はBioPhenolics株式会社の発表をもとに作成。補助金に関する情報は「令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)特設ホームページ」(https://r7h-gs-hojo-web-fspoc.jp/)に基づく。
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