IR面談の質向上にAI活用が役立つと約9割が回答 ウィルズとパンハウスが共同調査
株式会社ウィルズと株式会社パンハウスは、機関投資家や個人投資家、および統合報告書の作成経験者を対象に実施した「企業と投資家の対話(IR活動)における課題とAI活用」に関する調査結果を発表しました。調査では、開示資料の読み込みや想定質問の作成など事前の準備に双方が負担を抱えている現状が浮き彫りになりました。また、基礎情報の把握やシナリオ検証にAIを活用する仕組みについて、約9割が対話の質向上に役立つと回答しています。

投資家が抱える事前準備の負担と面談への期待
機関投資家および個人投資家に対し、企業との対話に向けた事前の準備において負担を感じる作業を尋ねたところ、「開示資料の読み込みと要点整理(35.0%)」が最多となりました。次いで「業界動向や競合他社の比較分析(17.6%)」「複数媒体からの情報収集と紐付け(14.0%)」が挙げられ、情報収集や整理の作業が上位を占めました。

企業との対話において期待する成果や目的については、「事業内容や戦略の網羅的な理解(31.0%)」が最も多く、「株主還元や資本政策の方針確認(26.3%)」「中長期的な成長ストーリーの解像度向上(25.3%)」が続いています。
面談などを通じた全体的な対話の質については、「非常に高かった(4.3%)」「やや高かった(53.7%)」を合わせた約6割が高く評価した一方、「やや低かった(36.4%)」「非常に低かった(5.6%)」と回答した人も約4割に上りました。対話の質が高かったと感じる要因の上位は「経営陣の意思やコミットメントの確認(30.8%)」「数値やKPIなどエビデンスの確認(27.1%)」でした。一方で質が低かったと感じる要因としては、「一方的な説明(対話の不在)(28.1%)」が最多で、「的を射ない回答(はぐらかし)(20.7%)」や「他社との差別化要因の欠如(17.5%)」「課題やリスクに関する回答の不透明さ(17.5%)」「自身の事前準備の不足(17.5%)」が並びました。

企業側が抱える準備負担と質問の質に対する課題感

統合報告書の作成を経験したことがある男女に対し、投資家との対話に向けた事前準備で負担を感じる作業を尋ねた結果、「想定質問の洗い出しと回答案(FAQ)作成(45.6%)」が最も高く、「投資家のプロファイリング(質問履歴・関心領域の把握)(45.1%)」「経営陣や関連部署との事前すり合わせ(37.4%)」が続きました。

また、面談時における投資家からの質問の質については、「表面的な質問が多い(26.7%)」「やや表面的な質問が多い(50.0%)」を合わせて全体の約8割が表面的であると感じている実態が示されました。「やや本質的な質問が多い」は17.5%、「本質的な質問が多い」は5.8%にとどまっています。
対話において現在課題だと感じることとしても、「表面的な質問が多い(34.0%)」が最多となり、次いで「面談時間が限られる(33.0%)」「若手投資家との対話が難しい(27.7%)」が挙げられました。投資家に期待することとしては、「自身の投資シナリオの検証・確認(37.4%)」「開示資料にない背景や文脈の汲み取り(33.0%)」「自社の事業内容や戦略の深い理解(30.6%)」が上位となっています。

約9割がAIによる事前検証の仕組みを支持
AIで基礎情報の把握やシナリオ検証を済ませ、面談を最終確認の場として活用できる仕組みが対話の質向上に役立つと思うかという質問では、「非常に役立つと思う(31.1%)」と「やや役立つと思う(60.2%)」を合わせて91.3%が肯定的な回答を示しました。
株式会社ウィルズと株式会社パンハウスは、統合報告書などのIRコンテンツの制作と投資家との対話をAIで支援するサービスとして、次世代IRプラットフォーム「IR-port」を共同開発しています。同サービスでは、投資家が知りたい内容をAIに質問して原文と該当ページ付きで回答を得られる機能や、企業側が制作負荷を軽減しつつ投資家の関心を把握できる機能などを備えています。
調査の概要


- 調査名:「企業と投資家の対話(IR活動)における課題とAI活用」に関する調査
- 調査期間:2026年9月10日(木)~2026年9月11日(金)
- 調査方法:PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press )によるインターネット調査
- 調査人数:1,012人(①806人/②206人)
- 調査対象:調査回答時に①機関投資家、個人投資家/②統合報告書の作成を経験したことがある男女と回答したモニター
- 調査元:株式会社ウィルズ、株式会社パンハウス
- モニター提供元:サクリサ
本記事は株式会社ウィルズと株式会社パンハウスの発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



