敷島住宅がパッシブデザイン7地域モデルでグッドデザイン賞2026を受賞
住宅事業を展開する敷島住宅株式会社(川島永好代表取締役社長)の「地域資源を活かしたパッシブデザイン7地域モデル」が、グッドデザイン賞2026を受賞した。近隣の大学と共同で京都・大阪・滋賀の気候や文化・生活様式を調査・再評価し、7地域に類型化して快適性と住文化を反映した住宅を開発している。各地域の分譲地で実証を重ねており、地域資源を活かし環境負荷を抑える取り組みが評価された。
標準化が進む住宅への問題意識から共同研究へ
近畿圏はわずかな距離の移動で気候が大きく異なり、多様な住文化が形成されてきた背景がある。しかし現代の住宅はイニシャルコスト最優先で効率的な生産性を求めるあまり、性能や仕様の標準化が進み、気候への適応や地域特有の住文化など地域資源の集大成とも言える“家のカタチ”が失われつつあるという。
こうした問題意識を受け、同社は近隣の大学研究室と共同でプロジェクトを展開した。地域固有の文化や生活様式を調査・再評価し、現代における地域住宅のあり方を導き出す取り組みを進めている。
近畿圏を7地域に分類したパッシブデザインモデルの構築
自然、気候、地形、生活文化、町並みなどの多角的なデザインサーベイを実施・分析した結果、近畿圏は歴史的な「国」の区分と高い一致を示す7つの地域に分類された。同社はさらに鉄道沿線や市街地分布などの現代的要素を重ね合わせ、現代社会に適応した以下の7地域モデルを構築し、パッシブアイテムと目指すべきパッシブデザインを策定した。
- 摂津北…蓄熱壁の家(蓄熱壁による室温のコントロール) 設計中
- 摂津南…階段天窓の家(トップライトと断面構成による明るさのコントロール) 設計中
- 河内……吹き抜け窓の家(ウインドキャッチャーによる気流のコントロール) 2024年完成
- 山城南…土間縁側の家(土間による熱のコントロール) 2022年完成
- 山城北…4つの床がある家(レベル差で促す気流のコントロール) 2025年完成
- 近江西…風の通り土間の家(地域の風を利用した気流のコントロール) 2019年完成
- 近江東…素材感と温熱感の家(調湿壁による湿度と熱のコントロール) 設計中







4地域で建物が完成し全モデル展開を視野に



この計画は2019年からスタートし、すでに4地域の建物が完成、3地域が設計中となっている。多様な地域資源を分析し、科学的根拠と地域に伝わる暮らしの知恵を融合して設計に反映させている点が特徴で、単発の設計に留めず汎用性のある設計ルールとアイテムで体系モデルを構築している。地域ごとにまとめたブックレットは設計士や顧客にとって家造りの参考書となっているという。
同社は従来のパッシブデザインの考え方を拡張し、気候だけでなく歴史や文化、人々の気質といった多様な環境要素を統合的に捉え、7地域全モデルの全棟完成および普及を目指している。地域気候に合わせることで、長期的な視点に立ったランニングコストの低減までも視野に入れているとしている。
- 受賞対象名:「地域資源を活かしたパッシブデザイン7地域モデル」
- 事業主体名:敷島住宅株式会社
- 受賞企業名:敷島住宅株式会社
- 分類:商品化・工業化住宅
- 審査ユニット:12 建築(戸建て住宅~小規模集合・共同住宅)
- 受賞番号:26G120856
本記事は敷島住宅株式会社の発表をもとに作成。
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