国内初の次世代型地熱発電商用化へ向け、新たな実証フェーズへ -地熱利用の可能性を広げる「同軸二重管型クローズドループ方式」の掘削成功-
三井不動産など3社、次世代型地熱発電の国内初商用化に向け実証実験に本格着手
CATEGORY: ビジネス
三井不動産、新日本科学、ジャパン・ニュー・エナジー(JNEC)の3社は、共同で次世代型地熱発電の実証に向けた掘削に成功し、国内初の商用化を目指して実証実験に本格着手しました。鹿児島県指宿市において実証実験に必要な掘削工程を完了し、発電の可能性を確認したとしています。今後は実証プラントの建設や運転を通じて、商用化を見据えた技術的・経済的検証を進める計画です。

二重管で水を循環させる次世代型地熱発電
実証を進める技術は「同軸二重管型クローズドループ方式」と呼ばれる次世代型地熱発電技術です。地下の熱水や蒸気を取り出すのではなく、1本の坑井内に設置した二重管(内管と外管からなる密閉管)の中で水を循環させ、地下の熱によって温められた水の熱エネルギーを発電に利用します。
地下の熱水や蒸気、その成分を地上に取り出さないため、地上および地下への環境影響を抑えながら地熱資源を利用できる点が特徴です。また、天然の熱水や蒸気、地熱貯留層などの地質構造といった自然条件に左右されにくいため、これまで条件が整わず開発が困難だった地域への地熱利用の拡大が期待されています。
地域共生型モデルの構築と協業の探索
3社は実証を通じて得られる知見や成果を活かし、技術・施工・電力活用などの領域における企業や事業体との協業、将来的な事業候補地の探索を進める方針です。地熱発電の導入が難しかった地域での資源利活用に加え、地域特性を活かしたまちづくりや関連事業との連携も視野に入れ、地域産業の活性化や新たな経済循環の創出につながる地域共生型の事業モデルの確立を目指します。
三井不動産は、経済産業省所管の独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構が公募する「次世代型地熱発電事業」に関する実現可能性調査(フィジビリティ・スタディ)(第4回公募)において、本方式に関するエンジニアリング等の業務の採択を受け、取り組みを進めています。
参画企業の概要
実証に取り組む参画企業の概要は以下の通りです。
- 三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:植田 俊)
- 株式会社新日本科学(本社:鹿児島県鹿児島市、代表取締役社長:平間 英之)
- ジャパン・ニュー・エナジー株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:坂本 秀男)
新日本科学は1957年創業の医薬品開発支援(CRO)企業で、鹿児島県指宿市の「メディポリス指宿」において地熱発電所を2015年から運営しており、2025年度は温泉発電所と合わせて年間約1,400万kWhを発電しています。ジャパン・ニュー・エナジーは同軸型新地熱発電システムの研究開発や事業化に取り組むエネルギー企業です。
本記事は三井不動産株式会社、株式会社新日本科学、ジャパン・ニュー・エナジー株式会社の発表をもとに作成しました。実証内容および今後の展開は発表時点の計画であり、今後の検証結果等により変更となる可能性があります。
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