Gaia Visionの研究開発テーマがNEDOのSBIR推進プログラムに採択
気候科学や水文学を専門とする東大発ベンチャー企業の株式会社Gaia Visionが提案した研究開発テーマが、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「SBIR推進プログラム(2026年度連結型)」に採択された。採択されたテーマは「衛星×水文モデル×AIで実現する水田水資源&メタンの見える化技術」で、同社は水田における水資源の利用状況とメタン排出量を一体的に把握・可視化する技術の開発に取り組む。

水田の水管理は水資源の利用だけでなく温室効果ガスであるメタンの排出にも影響しているが、従来は水資源リスクと温室効果ガス排出量が個別に評価される傾向にあり、統合的な把握が課題とされていた。
4つの技術を統合し水資源とメタンを一体評価
本事業では、衛星観測、水文モデル、AIを組み合わせて、水田地域の水資源利用量、メタン排出量、削減ポテンシャルを同一基盤で推定・可視化する技術の開発を目指している。具体的には以下の手法を統合する計画となっている。
- 水文モデル:水田流域における水の流れや水収支を高解像度で推定
- SAR衛星観測:衛星データから水田の湛水・落水や作期を把握
- AI(機械学習):水田ごとのメタン排出量の分布を推定
- GOSAT衛星観測:地域全体のメタン排出量との整合性を確認
これらの組み合わせにより、水資源の利用状況とメタン排出量、削減ポテンシャルを地域ごとに評価する仕組みを整え、企業の情報開示や排出削減への取り組みを支援する評価基盤の構築を図る。
NEDOの「SBIR推進プログラム」は、研究開発型スタートアップ等による技術開発と社会実装を支援する事業で、内閣府が主導する「日本版SBIR制度」の一翼を担う。事業は初期段階の概念実証(PoC)や実現可能性調査(FS)を行う「フェーズ1」と、実用化開発を支援する「フェーズ2」で構成されている。
「2026年度連結型」のフェーズ1に採択されたGaia Visionは、国内の水田地帯を対象にPoCおよびFSを実施する。技術的な実現可能性を検証するほか、求められる精度や出力仕様、価格水準、利用形態などを確認し、事業化に向けた製品・サービスの要件を整理する予定だ。
将来的な事業展開と情報開示への応用
開発される技術は、食品加工会社や商社などが農産物の調達地域における水資源・GHGリスクを管理し、温室効果ガス排出削減や情報開示を行う際の活用が想定されている。また、金融・保険分野や自治体でのリスク評価・モニタリングに加え、将来的なTNFDやSBTN等の自然関連情報開示への展開も視野に入れている。
代表取締役の北祐樹氏は、水田における水資源保全とメタン排出削減を衛星・水文モデル・AIの複数技術を統合して成し遂げようとする、日本で初めての技術開発に取り組むとコメントしている。

株式会社Gaia Visionについて
東京大学生産技術研究所などの研究成果である高精度洪水シミュレーション技術や気候ビッグデータ分析技術をもとに、気候物理リスク分析システム「Climate Vision」やリアルタイム洪水予測システム「Water Vision」を提供している。
- 本社所在地:東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル3階(0club)
- 代表取締役:北 祐樹
- 設立:2021年9月
- HP:https://www.gaia-vision.co.jp
本記事は株式会社Gaia Visionの発表をもとに作成。
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