情報漏えい公表事案、Web以外のデジタル環境が57.5%に増加 リブランディング調査
リブランディング株式会社は、日本国内の民間企業が公表した個人情報の漏えい、またはそのおそれに関する事案について、2021年と2026年の公式発表を比較する独自調査の結果を発表しました。公式発表を確認できた事案を同一基準で分類したところ、漏えい発生場所として「Web・EC・予約・会員サイト」が占める割合が55.2%から34.0%へ低下した一方、社内システムやSaaSなどのWeb以外のデジタル環境が33.6%から57.5%へ上昇したことが明らかになりました。企業の情報漏えいが相次ぐなか、公表された事案の発生場所や原因の変化、公開Webサイトの設定状況との関係を検討しています。
漏えい発生場所はWebサイトから社内システムやクラウド環境などへ分散
2021年に公式発表を確認できた116社のうち、Web・EC・予約・会員サイトで情報漏えいが起きたのは64社(55.2%)でしたが、2026年は106社のうち36社(34.0%)となり、割合は21.2ポイント低下しました。

一方で、社内システム、SaaS・クラウド、メール・アカウント、委託先運用システム、VPN・ネットワーク機器、コード管理・API、生成AIの合計であるWeb以外のデジタル環境は、2021年の33.6%(39/116社)から2026年には57.5%(61/106社)へと23.9ポイント上昇しました。詳細な発生場所の内訳をみると、社内システムは6.0%(7社)から14.2%(15社)、SaaS・クラウドは9.5%(11社)から15.1%(16社)、メール・アカウントは5.2%(6組織)から10.4%(11社)へと構成比が増加しています。

原因別では委託先やSaaS起因が19.8%に増加、脆弱性悪用などは低下
公式発表に記載された主な原因を比較した結果、委託先・SaaS・取引先起因は2021年の9.5%(11/116社)から2026年には19.8%(21/106社)へ上昇しました。原因を公表した企業に限定した比較でも、同割合は11.7%から29.6%へと上昇する傾向がみられました。
これに対し、脆弱性の悪用は26.7%(31社)から11.3%(12社)へ、誤送信・誤操作は12.9%(15社)から3.8%(4社)へと低下しています。なお、原因を公表していない事案は19.0%(22社)から33.0%(35社)へ増加しており、公表姿勢による影響に注意が必要とされています。
公開Webサイトの技術設定と公表事案に大きな差は見られず
補助調査として、2026年10月に情報漏えいを公表した企業64社(トップページ取得61社)と同業種などの比較企業195社(同194社)を対象に、公開Webサイトを100項目あまりで観測する分析も行われました。
トップページを取得できた企業のDMARC設定率は公表企業が77%、比較企業が63%だったものの、業種やサイト規模などが近い比較企業では78%でした。また、HSTS設定率も公表企業の43%に対し、特徴が近い比較企業では47%となり、大きな開きは見られませんでした。これにより、Webサイトの外から観測できる技術構成のみで漏えい公表企業を判別できる結果ではないと分析されています。
調査概要
- 調査主体:リブランディング株式会社
- 調査対象:日本国内の民間企業が個人情報の漏えい、またはそのおそれを公式に公表した事案
- 対象期間:2021年1~12月/2026年1月~10月上旬に初めて公表された事案
- 対象企業数:2021年116社/2026年106社(計222社)
- 独立した事案数:2021年109件/2026年101件(計210件)
- 集計単位:原則として公表企業単位(共通委託先の事故を複数社が公表した場合は独立事案数では1件として計数)
- 調査方法:各社・委託先の公式発表(保存版を含む)を確認し、発生場所と主な原因を共通基準で分類(続報は別事案として計上しない)
- 補助調査:2026年10月、漏えい公表企業64社(トップページ取得61社)/比較企業195社(同194社)の公開Webサイトを100項目あまりで比較
本調査は公式発表を確認できた民間企業の事案を対象としたもので、国内すべての情報漏えい事案を網羅したものではありません。また、2021年と2026年で対象期間が異なる点や、原因非公表の組織がある点、本調査のみでデジタル化やAI普及との因果関係を証明するものではない点などが留意事項として挙げられています。
本記事はリブランディング株式会社の発表をもとに作成しました。
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